サーフィンで通った南知多町へ。スリランカカレーで多くの人に幸せを届けたい
スリランカカレー店経営 逢坂 綾子さん
- 移住エリア
- 三重県→愛知県南知多町
- 移住年
- 2019年
写真は、愛猫カリー君のマークが目印のキッチンカーと逢坂さん
サーフィンという共通の趣味を持つ逢坂綾子さん夫妻は、大好きな海の近くで暮らしたいと、出会いの地である愛知県南知多町に移住しました。理想の暮らしを手に入れた次に取り組んだのは、新婚旅行先のスリランカで衝撃を受けたスパイスカレーづくり。研究を重ね、キッチンカーでの販売を始めました。自家栽培の野菜をふんだんに使ったカレーを通じて、元気と幸せを届けています。
目次
趣味のサーフィンに没頭。よく通ったのが南知多町の海だった
南知多町に隣接する愛知県美浜町で生まれた逢坂さん。幼少期に同県半田市へ引っ越し、学生時代を過ごしました。短大卒業後、外資系化粧品メーカーに就職。美容部員として店頭販売やスキンケアサービスに携わりました。
28歳で結婚しますが、価値観のずれから2年で離婚します。その後、30代は半田市で一人暮らしをし、仕事の傍ら、趣味のサーフィンに没頭しました。
「休みの日はサーフィン一筋。波に乗って、海と一体になる感覚が最高に気持ちいいんです」
サーフボードとともに各地へ出かけましたが、ホームのように訪れていたのが南知多町の内海海岸でした。

夜明けとともにサーフィンを楽しむ南知多町内海の海岸
夫はサーフィン仲間。「海に近い場所で暮らしたい」と移住を決意
同じ海で、いつも顔を合わせるメンバーとは自然と仲間意識が芽生えます。その中の一人が夫となる誠人さんでした。「笑いのツボが一緒で、自然体でいられた」。バツイチ同士、意気投合し、40歳でパートナーに。誠人さんの仕事の都合で、三重県四日市に移り住みます。ところが、
「海から遠い場所での生活になじめなくて、精神的に不安定になってしまった。40代に入り、これからの人生についても考えるようになって」
夫婦で相談し、大好きな海の近くに住もうと、移住先を探し始めました。
移住先は慣れ親しんだ南知多町に。空き家バンクの利用でスムーズに
「四国とかいろんな地域を当たりましたが、なかなか条件の合う場所がなくて。夫と話し合う中で、『遠いところで探さなくても、いつも行く内海があるじゃん』って」
さっそく調べてみると、南知多町の空き家バンクに気に入った物件を発見。その日のうちに空き家バンクに登録し、申し込みました。通い慣れた南知多町には知り合いも多く、トントン拍子に話は進み、2019年に移住。空き家バンクを使った移住者に改修費用の3分の2を補助する制度(上限30万円)を利用してお風呂をリフォームし、念願の海辺の生活を手に入れました。
「朝、まだ暗いうちに海へ出て、日の出とともに波に乗ってから仕事へ行く生活。一時期はほぼ毎日海に入っていました」
2020年、42歳で誠人さんと正式に結婚。翌年にはさらに海に近い土地を購入し、新居を構えました。料理好きな逢坂さんらしい「キッチンが中心の家」。生活が安定したのを機に、20年以上続けた美容部員の仕事を辞めました。
スリランカカレーのおいしさに衝撃。独学でキッチンカーをオープン
移住とほぼ同時期に、人生を大きく揺り動かす出合いが。新婚旅行で訪れたスリランカのスパイスカレーです。
「おいしさに衝撃を受けたんです。スーパーで手当たり次第に買い込んで、帰りのスーツケースの中身はほぼスパイス」
帰国後、独学でスリランカカレーを研究。
「1カ月は毎日カレーでした」

スリランカ料理を仕込む逢坂さん
コリアンダーをベースにした混合スパイス「トゥナパハ」とハーブを使い、ココナツミルクでさらりと仕上げるのがスリランカカレーの特徴。ライスと数種類の副菜とともにワンプレートに盛り付けるのが基本スタイルです。納得のいく味にたどり着き、このおいしさを多くの人に知ってもらいたいと、初期投資の少ないキッチンカーでの出店を模索。中古で手に入れたキッチンカーを誠人さんや友人の助けを借りて改修し、2022年に初出店を果たしました。
屋号は「スパイス好きネコさんのスリランカカレー」。マスコットキャラクターにもなっている愛猫カリー君は新居に移ってほどなく、軒下にふらりと現れました。
「南知多町にはネコがたくさんいて、『我が家に来てくれるネコがいれば飼おう』と話していたんです。カリー君を家族に迎えた後、『次に来る子はライスちゃんかな』、なんて冗談を言っていたら、本当に白い子が現れた」
2匹は大切な家族であり、人気の看板ネコです。
開業当初は週末イベントや南知多町内の店舗駐車場などで、週に3回ほど出店。
「知り合いがイベントを紹介してくれたり、地元のお店が『うちの駐車場で出したら』と声を掛けてくれたり、ありがたいことに出店先に困ることはありませんでした」
2025年からはキッチンカーの頻度を少なくし、カフェでの間借り営業を行っています。近所に畑を借り、野菜づくりにも挑戦。提供するカレーには自家製野菜をたっぷりと使っています。

南知多町で家族に加わったカリー君(右)とライスちゃん(左)
スリランカカレーで多くの人に幸せを。移住希望者の橋渡しも
2023年には再びスリランカを訪れ、料理と伝統医療のアーユルヴェーダを学びました。食事や生活習慣を整え、体と心を研ぎ澄ますことで健康と幸せが得られることを体感。現在は自宅で料理教室やアーユルヴェーダの施術も行っています。
「スリランカカレーにはまって、体が中から変わっていくのを感じたんです。お客さんや周りの人たちにもカレーやアーユルヴェーダをきっかけにそれを感じてもらい、みんなで幸せになれたら最高」
移住して6年。友人・知人も増え、南知多町への移住希望者と町との橋渡しもしました。
「若い移住者が多いですよ。移住の前に何度もその地に通って友達を増やすと、その後も住みやすいですよね」
そう話す逢坂さんの生き生きとした表情に、充実した暮らしぶりがにじみ出ていました。

スリランカカレー店経営 逢坂 綾子さん / おうさか あやこ
1975年愛知県美浜町生まれ。短大卒業後、外資系化粧品メーカーに美容部員として就職。40歳の時、趣味のサーフィンを通じて夫の誠人さんと知り合い、三重県四日市に転居。海の近くでの暮らしを求め、2019年に空き家バンクを利用して愛知県南知多町へ移住。翌年結婚。新婚旅行先のスリランカでカレーに魅せられ、独自に研究し、2022年キッチンカーでの営業を開始。現在はカフェでの間借り営業や料理教室も行う。