長野県駒ヶ根市へ家族で移住!海外経験を活かし「地域おこし協力隊」として働く
駒ヶ根市地域おこし協力隊 髙橋 友紀さん
- 移住エリア
- 東京都出身、パラグアイ→長野県駒ヶ根市
- 移住年
- 2026年
写真は、移住者の髙橋 友紀さん(写真右)と駒ヶ根市役所の松﨑 しのぶさん(写真左)
2026年3月、地球の反対側である南米パラグアイから、長野県駒ヶ根市へと家族4人で大移動を果たした髙橋 友紀さん。「職より住」を優先した強行突破の移住劇の裏には、海外でのタフな経験から生まれた「なんとかなる!」の精神と、時差を越えた市役所の熱心なサポートがありました。
さらに、移住を並走して支え、現在は市役所で同僚として席を並べる「駒ヶ根市役所企画振興課少子化・人口戦略室」の松﨑 しのぶさんの視点も交え、条件に縛られない移住のリアルをお届けします。
目次
「東京の暮らしは無理だ!」自然豊かな “教育県” 長野県へ
商社に勤めていた祖父の影響もあり、幼い頃から海外志向がありました。旅行会社勤務やJICA海外協力隊でのエチオピア赴任、国際協力の仕事に就いている夫とのパラグアイ生活などを経験しました。帰国を前に、豊かな自然に馴染んだ7歳と3歳の息子たちを見て、「東京の暮らしは無理だ!」と確信(笑)。東京の実家と夫の実家・富山の間にある、教育県として知られる長野県に狙いを定め、一時帰国時に移住フェアへ参加しました。JICA海外協力隊訓練所があり、OBコミュニティもある駒ヶ根市に手応えを感じました。

「職より住」の強行突破!
パラグアイにいた頃から「地方に住むなら絶対に一軒家!」と心に決め、駒ヶ根市役所にメールで相談を重ねていました。子供の入学・入園時期に合わせるため、選んだのは、仕事が決まる前に住居を確保する「住まい先行」のスタイル。2026年の3月末に帰国すると、市役所の松﨑さんと戸建ての内覧をスタート。2日後には住まいを確保できました。まさに「職より住」の強行突破でしたが、JICA海外協力隊OBを対象とした市の地域おこし協力隊の募集選考も進んでおり、5月に無事、着任することができました。
ハラハラも家族で笑い飛ばして
今回は、「仕事が未定のまま家を探す」というハラハラした状況でした。ただ、海外で盗難事件などさまざまな経験をしてきたので、「なんとかなる!」と家族みんなで笑いながら乗り切りました。だいたい日本は水も電気もありますから、不便なことなんてないんです。
時差を越えた親身なサポート
市役所の方は地球の反対側にいた私たちと、時差を問わず親身にメールでやり取りしてくれました。希望していたエリアの園が建て替えで一時閉園すると教えてくださり、すぐに別の「小学校の道路向かいにある保育園」を空き枠まで確認し、提案してくれたんです。見つかりにくい戸建て探しも奔走してくれて。理想的な子育て環境が整ったことは、感謝しかありません。

これまでの経験を、地域の多文化共生へ
エチオピアでの観光支援や旅行会社の添乗員など、これまでの経験を活かして、5月から地域おこし協力隊として多文化共生に携わっています。現在は地域の保育園をまわって、外国籍の親とコミュニケーション等を聞いたり、看板の表示の英語化などを進めています。国際交流団体「地球人ネットワークinこまがね」とも連携することで、国籍や年齢を問わず誰もが生きやすいまちにしたいですね。
適度な距離感と、温かいコミュニティ
念願の一軒家での暮らし。子供たちは地域にすぐに馴染んでくれて、知らないうちに友達と遊んでます。海外が長かったので、子供が外で思いきり遊べるのがありがたいです。今後は夫が海外赴任するため、ワンオペ生活も控えていますが、地域は過干渉すぎない適度な距離感。「野菜渡してもいい?」と電話をいただいたりと、気配りが優しいです。それにJICAコミュニティのおかげで、地域に関わる入口が増えました。子育てや仕事以外でも、たくさんの人とつながりがあるので安心です。

移住者を支える人――駒ヶ根市役所企画振興課少子化・人口戦略室長 松﨑 しのぶさん
JICA海外協力隊訓練所が育む国際協力の土壌。完璧な条件より「あるもの」を楽しむ暮らしのリアル。
駒ヶ根市にはJICA海外協力隊訓練所があり、国際協力の土壌が自然と根付いています。市役所の同じフロアにも海外協力隊OB・OGが5人いますし、保育園への訓練生訪問など、幼少期から当たり前に異文化と触れ合えるのは、この街の素敵な財産です。
ただ、イメージとしての「国際化」と、実際の暮らしの中での「多文化共生」はまた少し違います。製造業が盛んなこともあり、園児の約10%が外国籍という保育園もあります。だからこそ、お互いが無理なく地域社会で暮らしていける関係性を大切にしたいです。こうした「理想のイメージではなく、地域の現実をどう受け止めていくか」という点は、暮らしの利便性についても同じことが言えます。市内に映画館などはありませんが、都会と比べて「ないもの」を寂しがるより、今ある環境を楽しめる人にぜひ移住してほしいです。 実際、駒ヶ根って自然は身近ですし、食も豊かですよ。
移住相談を受けていて感じるのは、条件を細かく比較しすぎてしまうと、かえって迷路にハマりやすいということ。完璧なお膳立てを待つよりも、良い意味での「どうにかなる」という人の方が、毎日の暮らしを楽しめる気がします。髙橋さんは、まさに「住まいさえ決まれば!」と飛び込んでくれました。いまは、髙橋さんと市役所で席を並べています。これからは、移住を考えている方に先輩移住者としても寄り添っていただけるといいな、と思っています。
<Key Word:JICA駒ヶ根青年海外協力隊訓練所>独立行政法人国際協力機構(JICA)が運営する、海外協力隊の派遣前の訓練施設。語学研修や現地適応訓練などを約70日間の合宿制で行う。全国で長野県駒ヶ根市と福島県二本松市の2か所のみに設置されている。

駒ヶ根市地域おこし協力隊 髙橋 友紀さん / たかはし ゆき
東京都出身。旅行会社勤務を経て、JICA海外協力隊としてエチオピアへ赴任。その後、夫の仕事に伴い南米パラグアイで暮らす。2026年3月の帰国を機に、子供たちの育つ環境を考えて長野県駒ヶ根市へ家族4人で移住。「職より住」を優先して飛び込み、同年5月からは市の「地域おこし協力隊」に着任。現在はこれまでの国際経験を活かし、国籍や年齢を問わず誰もが生きやすい多文化共生のまちづくりに奮闘中。