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日本最古の「わざ」正藍冷染

日本最古の「わざ」正藍冷染 | 地域のトピックス

日本最古の「わざ」正藍冷染

栗原市文字(もんじ)地区には、日本最古の染色技術「正藍冷染(しょうあいひやぞめ)」が伝承されています。
今回、正藍冷染技術保持者の千葉正一さんをお訪ねし、貴重な技術や作品についてお話を伺ってきました。
千葉正一さんは、正藍冷染を受け継ぐ千葉家の四代目にあたります。

■歴史

正藍冷染は国内最古の染色技術で、中国から日本に伝えられ、平安時代に確立されました。
その後、様々な時代を経て、染色技術の進歩と織物の発明改善により衣料の量産の時代を迎えて来ましたが、東北のこの地方では、大正末期、或いは昭和の初期まで、依然として此の正藍染の技法が細々ながら各地に伝えられて来ました。

■伝承者

栗原市栗駒文字の千葉家では、代々農業を営みながらこの技法を伝えてきました。他の地方には絶えてしまって見ることの出来ない、染色工芸における貴重な技術の保持者なのです。
(現在は、千葉家にしか伝承されていません!)

初代千葉あやのさん

初代:国指定重要無形文化財 人間国宝
    勲五等 瑞宝章受章
    千葉あやのさん(昭和55年3月90歳で逝去)
二代目:県指定重要無形文化財
    昭和62年11月文部大臣地域文化功労章受章
    千葉よしのさん(平成21年7月100歳で逝去)
三代目:県指定重要無形文化財
     平成26年11月文部大臣地域文化功労章受章
     平成29年11月旭日双光章受賞
     千葉まつ江さん(令和5年5月94歳で逝去)
そして、四代目が千葉正一さんです。

三代目のまつ江さんは令和3年10月に、文化遺産の保存、継承に活躍してきた人たちを顕彰する第15回読売あをによし大賞も受賞されています。

■特徴

正藍冷染は、藍種を撒いて藍を育て、葉を摘んで藍玉を造り、乾燥、貯蔵して、染水を作るための藍だてをし、適期を見て染めます。
特に、藍だてにあたっては、自然の温度で発酵させるのが特徴で、この一貫作業を完全に保持しています。

藍玉


布を染める樽

染めた布は、家の前を流れる二迫川で洗います。

正藍冷染と普通の藍染はどこが違うのか、正一さんに伺ってみると、
「色が抜けないこと」ときっぱり。
その証拠にと、初代・あやのさんが着ていたという着物を見せてくれました。

90年前のものとは思えない色合いですね。
作品の素材は、麻染や木綿染だけでなく、藍染が難しいとされる絹染など、多岐にわたります。


反物をはじめ、シャツ、Tシャツ、スカーフなど様々な作品が並びます。
一つとして同じものがない、個性的で優しい色合いに魅せられます。


千葉家のもう一人の主もお見送りしてくれました。
最後に初代・あやのさんの言葉を紹介します。


藍染ひとすじに
わたしはこの年になるまで不作にも会ったし
餓死年にも会ったし 戦争にも会ったし いろ
んな目に会いした
藍神様から授かったこの仕事藍染は
苦労な仕事でがすが わたしにとっては
一番楽しい仕事でありす
この仕事をこれまで続けてこられたのも
ほんとに みなさんのお陰っしゃ
わたしはこれからも この二迫川のほとりで
藍染ひとすじに生き続けていきたいと
思っているのっしゃ
昭和五十四年八月吉日
重要無形文化財 正藍冷染
勲五等瑞宝章 千葉あやの 九十歳