地域のトピックス

第3回 地方の仕事を知りたい方必見!県南地域の仕事のまとめ 県南地方の移住の魅力③(仕事編)

生活するにあたって必要なのが仕事。
今回は県南地方での仕事の選択肢7つをご紹介します。

1.地方就職
2.就農
3.就林
4.起業
5.継業
6.新幹線通勤
7.地域おこし協力隊

 1.地方就職

地方移住を考える際に大きく2つの選択肢があります。
ひとつは地域の企業に就職すること、もうひとつが公務員として地方自治体に就職することです。

公務員の募集は、新規採用枠(おおそよ30歳まで)、資格免許職(保育士や保健師、管理栄養士など)、民間企業等職務経験者に分けられます。
公務員は試験があり難しそうという印象もありますが、近年は就職イベントなどに地方公共団体がブースを出展するなど積極的に人材の募集を行っています。
人口減少に伴う労働力の流出は公共団体でも同様に問題となりつつあります。

次に一般企業ですが、
大きな傾向として、首都圏と比べると業種が大幅に減少することが考えられます。
特にサービス業やIT産業の求人は少なく、デザイナーやライターのようなウェブ上で業務を行う求人はほとんどありません。
そのような求人情報は求人サイトなどに出てくることが少ないため、地域に密着した移住コーディネーターからの情報が有用です。
クリエイティブな仕事や、自分のスキルを生かしたいと考えている方は移住コーディネーターに頼ってみることで、新しい情報を得ることができるかもしれません。

では県南地域に多い求人情報は何になるのでしょうか。
それは、製造に関わる求人です。
首都圏に近く、高速道路など流通アクセスがいいため多くの工場が立地しています。
製造業と言っても機械加工から食品加工業、印刷業など様々な職種があります。
また製品の製造や品質検査以外にも営業や総務など多岐にわたる仕事があるため、スキルが生かせる職種もあるのではないでしょうか。

さらに、製造業の強みがふたつあります。

ひとつが医療機器や宇宙産業など高度な技術を持っている会社が多くあることです。
「はやぶさ2」に搭載されたインパクターと呼ばれる惑星の地表に打ち込む機器を開発したのも県南地域の企業です。
キラリと光る取り組みを行っている会社はハローワークなどの求人情報ではわからない情報かもしれません。

もうひとつが勤務形態や福利厚生がしっかりしているということです。
基本的には製造ラインでの作業が主な仕事となるため、突貫での仕事がない限りはラインが稼働する時間が業務時間。
長期休暇などはライン自体を止めてしまうため休日をきちんと確保することができます。
また、比較的他産業に比べると福利厚生が充実した企業が多く、住宅費補助や社宅の借与、なかには保育園が併設されている企業もあります。

2.就農

県南地域では米、トマト、イチゴの栽培が盛んにおこなわれています。
福島といえば果樹のイメージが強いですが、県南地域では一部の地域でしか果樹栽培は行われていないので、少しイメージと異なるかもしれません。

県南地方で農業をはじめるには、4通りの方法があります。

①農業法人への就職
農業法人への就業は農業について学びながら収入を得ることができますが、県南地域には農業法人がそこまで多くありません。
しかし、法人数は多くはないものの、若く新しい考えを持った方が農業法人を経営されていて積極的な事業を展開しています。
有機栽培で循環型の農業経営を考えている法人や、地域の景観を守るために休耕農地を借り受け、大手の外食産業と提携している法人、地域の新しい特産品を開発するための事業を展開している法人があります。

②新規就農
新規就農者の多くは実家に戻るUターン者です。
新規就農にあたってはいろいろな補助金が用意されていますが、収益を上げて自立するには相応の努力が必要。
JAの出荷で生計を立てるには大規模型農業へ展開する必要がありますが、農業機械など高価なものが多く、縁もゆかりもない地域に移住して農業をはじめるにはハードルが高いでしょう。

一方、有機栽培や無農薬栽培などこだわりを持って作物を栽培することで差別化を図る方法もあります。
ただ天候によって生育状況が左右される心配や販路をどのように確保していくかという課題があります。
住居費など固定費が掛かってしまうIターン者はなかなか難しく、こちらもUターン者向けと言えます。

白河市では新規就農者向けに休耕農地の紹介や、農業指導、経営計画をアドバイスしてもらえる「ひと・農地相談センター」があります。

③地域おこし協力隊
詳しい制度については後述しますが、農業をはじめる最初の一歩としておすすめできるのが地域おこし協力隊です。事業内容は各市町村で定められるのですが、県南地域は過去にダリア(花)やラズベリー、イチゴの栽培に取り組む方を募集していました。

④農業短期大学校等研修制度
矢吹町に福島県が設置する農業短大「アグリカレッジふくしま」があります。
アグリカレッジ福島では2年間の短期大学生活のなかで農業について詳しく学ぶことができます。

そのほかにも短期や長期の研修があり、農業未経験の方でも様々な研修を受講することができます。

地域おこし協力隊や、農業法人に勤めながらでも研修は受講が可能なので、農業を一から学びたい方におすすめです。

⑤農地継承
農業者は高齢化を迎え、農地をどのように維持していくのか決まっていない農家が多くいます。
そのような方の畑や田んぼを借り受けて、先代の農家が元気なうちに栽培技術などの指導役になってもらい、農地の継承を図る取り組みです。

一昔前は農家同士、自分の技術を他人に教えることを拒んでいましたが、近年はあまりそのような抵抗感は少なくなってきました。
むしろ、新規参入者が少ない地域に新しい人材が農業をはじめることで、高齢の農家には指導するというやりがいが生まれる傾向があります。

ただ、こちらは移住者と地域に信頼があることが前提となるため、複数回地域に通うことや後継者を求めている方と移住者を結びつける方がいるなど移住前に地域との信頼感を高めていくことが必要です。
地域おこし協力隊の制度を用いながら継承を目指すのもいいかもしれません。

3.就林

県南地域では八溝山系を中心に林業が盛んにおこなわれており、林業での求人の募集は多くあります。
県南地域には高層ビルなどを建築することができるウッドALCという技術など最先端の技術を持った企業もあります。

また、全国的に自伐型林業が注目を集めていますが、県南地域では自伐型林業に取り組んでいる方はほとんどおらず、前例を聞きません。
自伐型林業に取り組みたいと考えている方でも、まずは林業組合や地域の林業を行う企業に就職して、地域の情報収集や関係性を構築していくのがいいでしょう。

4.起業

県南地域には起業を目指す方に対しての多くの支援があります。
補助金に対してネガティブな印象を持つ方もいるかもしれませんが、交付団体からのイベント等の有益な情報の案内や、交付団体から様々なメディアに紹介してくれるなどメリットも見出すことができます。

ここでは支援の一部をご紹介します。

〇空き店舗家賃・改修補助事業(白河市)
中心市街地の商店街の空き店舗を新規店舗等として活用する場合に賃借料を補助
http://www.city.shirakawa.fukushima.jp/page/page000624.html

〇コワーキングスペース「らくり」(白河市)
フリーランスの方が集まるコワーキングスペース。他業種の方と事業の相談等様々な交流することができます
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/fui/shirakawa-01.html

〇企業支援室(インキュベーションルーム)(白河市)
24時間365日利用可能な安価な事務作業スペース「起業支援室」を提供、インキュベーションマネジャーが併走し業務を支援
http://sangyo-support.jp/support/000208.html

〇福島県移住支援金(福島県)
東京23区に在住もしくは通勤しており、所定の条件を満たす方を対象に移住支援金を交付しています。さらに起業を行う際は追加で助成金の支援を受けることができます。

〇地域おこし協力隊向け創業支援金(各受け入れ市町村)
地域おこし協力隊が活動地と同一市町村内で起業する、または事業を引き継ぐ場合に対して起業・事業承継に要する経費を補助しています。

〇LIFE with FUKUSHIMA(福島県)
福島県での短期就業マッチングサイト。県内企業がアウトソーシングしたい業務が掲載されています。短期就業という形で企業の仕事を受けることができ、フリーランスとして地域で生きていけるのか不安な方、移住前に地域で関係性を作りたい方におすすめです。
https://lf-fukushima.com/

このほかにも様々な支援がありますが、起業する際にどのような事業を行うかによって受けることができる支援が変わってきます。
起業するにあたっては経営計画等作成されると思いますので移住コーディネーター等に相談いただければ、適する地域や受けることができる支援を知ることができます。

5.継業

全国的に後継者問題が取りざたされていますが、県南地域も同様の課題を抱えています。
地域から愛される企業も後継者の問題を課題に抱えている企業もあります。
新規で事業では獲得できない既存のファンの獲得や設備な面を考えると、継業することによるメリットも多くあります。
最近だと郡内の酒造会社を都内の方が継業し、新しい酒造りや新たな販路を拡大している企業もあります。

ただ、企業の事情については個人的な情報であるため、公になることなく、継業を必要とする企業の掘り起こしもできてはいないため、多くの情報は収集できていません。
情報を集めるところからはじめる必要があります。

また、福島県では、福島県事業引継ぎ支援センターを設置しており事業継承のサポートを行っています。

6.新幹線通勤

東京駅まで最短77分という立地条件のため、都内への新幹線通勤を行うことができます。
新白河駅から東京までは自由席に空席があり、行きと帰りはゆったりとした時間を過ごすことができます。
1日往復3時間程度の通勤時間は、残った仕事を作業する時間にしたり、読書など自分の時間を過ごしたり、自分の時間を作ることができます。

新白河駅から東京駅までの1カ月の定期代は145,160円。
かなり高額な出費になりますが、会社の通勤手当が10万円の場合実質の負担金は4万5千円程度。

もし子育て環境を重視して移住を考えている場合、
上記の条件で30年間新幹線通勤を行うのであれば合計で約1,625万円の支出。
しかし、県南地域の住宅価格2,143万円と合算すると3,768万円となり、横浜市や川崎市での同規模の住宅価格4,859万円と比べると1,000万円以上も安くなることになります。

さらに新幹線通勤のメリットのひとつが、終電の時間が決まっているということ。
一見デメリットのように感じるかもしれませんが、きちっと残業を終わらせることができることや、飲み会で遅くまで拘束されないことなど私生活との区別をはっきりとつけることができます。

(始発)新白河駅 6:24発- 東京駅 7:44着
新白河駅 6:59発- 東京駅 8:16着
(終電)東京駅 21:44発-新白河駅 22:54着
東京駅 20:56発-新白河駅 22:15着

7.地域おこし協力隊

地域おこし協力隊とは都市部から地方に移住し、市町村が定める活動業務に従事し、定住を図る総務省の事業です。任期は1年更新制の最長3年ですが、その間の住居手当、給与が支給されます。

活動内容は市町村によって様々であり、大分すると地域での必要な活動を自分で考え実行するフリーミッション型、地域が要望する業務に関わるミッション型、自分のスキルを活かして起業を行う起業型があります。

クリエイティブな仕事やまちづくりといった利益を出しづらいことにチャレンジしたいと考えている方におすすめです。

ただ、3年後に任期が終わってしまう心配もあります。
しかし、3年間の任期で地域の方と信頼関係を構築することができた隊員は、任期後に住宅の紹介や、仕事の紹介、結婚相手の紹介など地域住民から心強いサポートを受け定住しています。

<募集サイト>
地域おこし協力隊・復興支援員 募集情報サイト「ふくしまで働く-地域の担い手-」
https://f-ninaite.jp/

まとめ

今回は県南地域の仕事についてご紹介いたしました。

仕事のことを考えていくと、移住する目的がぼやけてしまうことがあります。
まずは、「なぜ移住するのか」といった移住目的を明確にすること。
次に、その生活を叶えるにはどのような仕事をやりたいのか、を決めることから始めましょう。

例えば、地域、気候、仕事、住宅、子育て環境や受入団体など優先順をつけ、
さらに項目ごとの順位、例えば仕事であれば、給与、仕事内容、やりがいなど優先順をつけることで譲れないことと妥協できることが区別することができます。

そこまで考えがまとまっていると移住相談いただいた場合、希望の地域をピンポイントでご案内することができます。
また、移住後にも事前に妥協すべき点を納得できていることでミスマッチを防ぐことができるでしょう。

とはいっても、なかなか考えがまとまらないと思いますので、
まずは東京の移住相談窓口や移住コーディネーターにご相談ください。

福が満開、福しま暮らし情報センター 相談員

新妻・佐藤

プロフィール

新妻:高校卒業までを富岡町で過ごす。大学入学と同時に上京し、都内で就職。高校生の進路行事を企画運営する企業、個人住居リノベーションのコーディネート、司法書士事務所事務を経て2018年4月より福が満開、福しま暮らし情報センターの相談員に。

佐藤:高校卒業まで福島県南相馬市(旧原町市)で過ごす。大学卒業後、大手百貨店に入社し、企画・宣伝・広報業務を中心に36年間勤務。2019年11月より、ふるさと回帰支援センター内「福が満開、福しま暮らし情報センター」の移住相談員として勤務。

相談員から一言

新妻:福島県は奥羽山脈と阿武隈高地の山並みを境に、会津地方・中通り・浜通りの3つエリアに分かれています。その地形から、それぞれが気候も歴史も暮らしも異なる大きな県です。雪、里、山、海…など、ご自身に合った理想とする暮らしがどこかできっと適えられると思います。福島の人は粘り強く親身で心根は熱いです。そんな福島が気になった方は一度センターへお越しください!

佐藤:今まで日本中いろいろな場所で暮らしましたが、どこも素晴らしいところばかりでした。
そんな中でもふるさと福島は四季の移り変わりがとてもはっきりしているところだと思います。
山々の景色・鳥たちの声・満天の星空・果物の豊富さ・旬の魚・空気の匂いなど、四季の変化を感じるものが盛沢山です。ぜひ福島に来てご自身で福島の魅力に触れてください。