移住事例紹介

住みたいトコで、住みたい人と住みたい。
“そうだ、いなかで暮らそう!!”

東京都→石川県七尾市
2018年移住
任田 和真さん
石川県七尾市地域おこし協力隊

地球2周と1周した2人が結婚を機に『いなか』に住みたいと石川県七尾市に移住。2018年4月から七尾市の地域おこし協力隊として活動を始めた任田とうだ和真かずまさんに、移住までの経緯やこれからについて伺いました。

ふたりのこれまで

任田さんは、石川県小松市生まれ。父に憧れ体育教師を目指し、大学進学を機に上京。21歳のころ、「地球6周しました」と話す(※1)ピースボート職員との衝撃的な出会いにより、大学卒業後地球1周を経験。これまでに地球2周、約50カ国を旅しました。

アフリカ

祥子さんは、東京生まれの東京育ち。大学3年の時、ふと思い立ってピースボート乗船を決めます。旅の中で、世界には様々な人がいて、色々な生き方があることを体感し、「積極的に物事に関われば、楽しいことがたくさんあるのだと気づかせてくれた地球1周だった」と語ります。祥子さんはその後、アフリカに1年暮らし、大学卒業後は広島の観光農園に勤務していたそうです。

そんな二人の出会いはピースボート。しかもお互い一目惚れ!
結婚(2017年10月)を機に、2人は自然と田舎への移住を考え始めました。

いなか探し

夢のいなかライフ。思い描いたのは、ずーっと深呼吸していたくなるような、自然に囲まれた場所。田んぼや山や川がすぐそばにあるような地域が2人の移住先のイメージでした。
「石川県にしよう」ということだけ決めていた2人がまず検討したのは、任田さんの生まれ故郷である石川県小松市。

イオンモール新小松店

「うぉーー!これが小松か?もう映画を観に片道40分かけて『サティ』に行かなくてもいい?」2人で訪れた小松市を、「革命が起こったようでした」と笑う任田さん。
しかし、便利になっていた小松市は、2人の「いなか」イメージには合わなかったそうです。

ふるさと回帰支援センターにて任田ご夫妻と石川県相談員

移住先をどこにするか悩んでいた時、任田さんご夫婦は新たな不安に直面します。

「地方移住に失敗」、「いなか暮らしの『影の部分』」…、いなか暮らしは良いことばかりではない、というネットの記事でした。

そんな時に知ったのが、地方移住の相談を受けている「ふるさと回帰支援センター」。
任田さんは、迷わずセンターへ行くことを決めました(2017年7月)。

いなか移住における2つのポイント

「ここからどんどん僕たちの移住計画は進んでいくわけです。」任田さんはこの時期を振り返り、移住計画を進めるポイントを教えてくれました。

まずひとつめは「どこで暮らすか」。もうひとつは、「何をするか」

任田さんご夫婦の移住のテーマは「住みたいトコに住む!」
住む場所を決めてから仕事を決めることにしました。

「ただ住みたい!と思うところを探すだけです。これがまた楽しい。」

「今の世の中、いつでもどこでもネットが繋がれば仕事ができる時代。 職場にとらわれず、自分たちの暮らしを優先して働き方を考えるのも当たり前になりつつあります。」

七尾市中島町釶打(なたうち)地内

 ある日、祥子さんが『ここ!』と任田さんに送ってきたのがこの写真。石川県七尾市の中島町の『農事組合法人なたうち』の関 照代さんが作成したホームページの写真でした。
「うん、ここにしよう。」と任田さん。写真を見て即決だったそうです。

実際にその場所に行ってみると、「やっぱり、ココ、いい。」
直感は当たるものだとふたりは感じたそうです。

中島町を気に入った2人は、その時石川県が募集していた「子育てオーダメイドツアー」に応募し、現地視察をすることに(2017年10月)。

農事組合法人なたうち協議(左)/後に二人が暮らす一軒家(右)

能登全体を回り、ゆかりのある方にも会うことが
できたそうです。
また、嬉しいことに、出会いのきっかけとなったホームページ『農事組合法人なたうち』方々お会いすることが出来、地域のことや仕事のことなど話すことができたそうです。
2人が住む事になりそうな家も見ることができ、仕事も「来ればなんとかなる」とぼんやり思い描いていた生活が、一気に具体的になってきたと感じたそうです

お世話になった、七尾市担当者寺田さん・太田さんと任田ご夫妻

「決めていくには2人だけではできなかった」「能登で出会った人達のおかげ」だと2人は言います。

はじめまして!挨拶回りに行ってきました!

七尾駅(左)/自宅前の親鸞聖人(右)

そして2018年。任田さんご夫婦は石川県七尾市高階地区へ移住。

「金沢から七尾線一本で約90分の人口300人の小さなかわいい田舎町に僕たちは移り住みました」

とりあえず家の前にそびえ立つ親鸞先生に「これから、宜しくお願いします。先輩!」と挨拶をして、ご近所に高階地区の区長と引越しの挨拶まわりを始めたそうです。

ガラガラー「おーい!かーちゃん!」まるで自分の家かのように、ご近所の家に入っていく区長を先頭に一軒一軒回り、「電気ついとーだけで、賑やしぃー」(電気がついてるだけで、賑やかで嬉しい)と隣の90歳のばーちゃん。

「分からんことあったら、何でも遠慮せんと聞きまっし」どの家でもそう言ってくれる。この町の人たちはほんとーにあったかい。

そして、最後はもちろん区長ご家族「あらー、もう嬉しいねー」と顔を見るたび15回は言ってくれた区長婦人。町内の決まりや町内のイベントを教えてもらい、ネギを10本いただき挨拶回りは終了したそうです。2人には楽しい時間だったと笑って話してくれました。

ふたりが選んだ仕事

田おこしをする任田さん(左)/新聞に載りました(右)

任田さんが選んだ仕事は、七尾市高階地区の『地域おこし協力隊』でした。
任田さんは、「田舎にも、選ばなければ仕事はいくらでもある。仕事の捉え方次第で暮らしを仕事にしたら、いくらでも面白くできるのではないかと思った」と。『チャレンジできるところに、人は集まる』根拠のない自信が湧いてきたと、笑顔で話してくれました。

この夏、和真さんは高階地区の魅力.風習.暮らし方などをまとめた『教科書』を作成しようと 、地区の家を回り聞き取りを行なっているそうです。七尾市を盛り上げようと言う人達と一緒に活動を始めています。

農作業中の祥子さん

祥子さんが選んだ仕事は、これまでの観光農園の経験をいかし、『農事組合法人なたうち(水稲、野菜)』での就農でした。『楽しい、美味しい、その気持ちを大切に、夢のある農業を』が祥子さんのモットーだそうです。地域にも自分から飛び込み、出来ることは何でもしてみようという姿勢は、若いのに凄いなと感じます。

これから

日本海に向かって

任田さんご夫妻は何もないけど何でもある。人と人が繋がりこの場所が好きだと言う人が増え、移住しなくとも個々に来たくなる。そんな場所にしたい」と言います。2人には多くの人たちが、「能登に行きたい、帰りたい」「疲れた時はぜひ、ホッと一息つきに遊びに行きたい」と思えるような場所作りをしていってほしいと思います。

 能登に移住し、定住している人たちは、「お金ではない人だ」といいます。

能登には何もないのではなく、人を受け入れるやさしさがあり、その優しさに気づいた人たちが、能登に受け入れられるのではないでしょうか。任田さんご夫婦は人と人の出会いを大切にすることのできる二人だったからこそ、短期間でここまで地域に馴染むことができました。

2人は「ワクワクを忘れず人生という旅を歩んで行きたい」と話してくれました。

写真提供:任田和真