車なしで『田舎暮らし』『地方ぐらし』はありえるのか④ ~車あり、車なしの経済を考える~ 《つぶやきコラム》

連載?記事「車なしで『田舎暮らし』はありえるのか」③を書いてからだいぶ時間が経ってしまいました。やっと書きました④。
ちょっとバタバタでしばらく放置になってしまい申し訳ございません。
この④では多くのが気にしておられる「いくらかかるのか」という経済面について考えてみます。
実はこれ、やってみたらめちゃくちゃムズイやつでした…
もう何が正しいなんてこともありませんが。ここでは各種調査やら私自身の家計、公共交通主体の地域と車社会の地域の体感的な状況も含めて諸々参考にしつつ、とりあえず私なりの数字を出してみました。
率直に、厳密な費用計算は不可能ですので概算としても大まかです…。 ご容赦ください。。。
とはいえ意外な結果に計算した本人がびっくりしています。
以下、あくまで「私が今回考えた」一般的な生活スタイルで使われるであろう金額を想定します。計算期間は年単位(1年あたり)です。
なお、比較のために、車だけでなく、実は多くの方が想定していない(これがまたほとんど資料もない…)公共交通にいくらかかっているのか、そのコストも計算してみました。
ちなみに、家族構成は夫婦と小学生1名と想定します。
■モデルケース① 車を保有(移動手段のメインは車)
・兵庫県内陸部在住 ・軽自動車1台所有 ・移動の大半は自家用車利用 ・月に1-2回遠出もする ・夫婦のうち、どちらか1名のみ近隣への車通勤 ・子どもは徒歩もしくはスクールバス利用で通学
★車の維持費の例
・ガソリン代: 82,500円 (走行距離:年10,000㎞ 燃費:20㎞/1リッターあたり ガソリン代:165円/1リッター想定)
※通勤・旅行も含めた走行距離で見積もり
・自動車税: 10,800円
・自動車重量税: 3,300円
・自賠責保険: 11,500円
・任意保険: 30,000円 (任意となっていますが必要なものです。金額は補償内容によります)
・車検費用: 40,000円 (車検基本料+車検時メンテナンス料他。車検時支払いの自動車重量税・自賠責保険料のぞく)
・メンテナンス費用15,000円 車検時メンテナンス費用のぞく)
・駐車料金:3,000円 (自宅は駐車場付き、外出時のみ有料駐車場を利用することがある想定 有料利用は1,000×2回、500×2回/年)
※車主体の生活圏にいるので駐車料金の発生が少ない想定
小計:195,100円
★外出時の交通機関利用の例
《ファミリーでイベント的に外出(中距離)》
1>か月に1度くらい。そのうち、半分は車以外の公共交通を利用
・車利用:0円(車維持費に含む)
・車以外の交通機関:60,000円 (往復大人4,000×2人、子ども2,000円×1人/1回あたり 6回分)
※鉄道・バス等の利用を想定。公共交通メインの人より運賃を高く設定。(地域特性を考慮)
《旅行(年2回)》
・交通費:40,000円 自家用車利用とする。費用は原則「車の維持費」に含む有料道路利用料を計上 (往復20,000×2回)
・駐車場利用料:6,000円(外出先の駐車料金は高い想定。1旅行あたり3,000円×2回)
小計:106,000円
総計:301,100円
■モデルケース② 車保有なし(移動手段のメインは公共交通)
・東京都下在住 ・最寄り駅徒歩15分の自宅 ・車なし ・公共交通機関と自転車移動が主な移動手段 ・夫婦のうち1名は都心へ通勤(電車45分程度)、もう一人は居住地域内で勤務(自転車通勤) ・子どもは徒歩通学 ・月に1-2回遠出もする。
★日常交通費の例
・電車・バス費用(日常生活上時折ある外出時):42,000円(往復大人700円×2人×2回・子ども350円×2回/月×12カ月)
・自転車駐輪場費用:32,700円(駅前の月ぎめ2,500円/月×12カ月、一時駐輪150×3人×6回/年)
・タクシ―利用料:10,000円(2,500×4回/年) ※タクシーもしくはカーシェア利用の料金として計上
小計:84,700円
★外出時の交通機関利用の例
《ファミリーでイベント的に外出(中距離)》
1か月に1度くらい。公共交通を利用
・交通費:60,000円:(往復大人2,000円×2人 子ども1,000円×1人/1回 12回分)
※鉄道・バス等の利用を想定。車保有者より運賃を安く設定。(地域特性を考慮)
《旅行(年2回)》
・交通費: 135,000円 (往復大人27,000×2人 子ども13,500円×1人/1回 2回分)
※内訳(大人1人):鉄道片道12,000円×2、行った先でのバス運賃等3000円(1旅行あたり)=27,000円
小計:195,000円
総計:279,700円
モデルケース①車を保有 と モデルケース②車保有なし の日常コスト比較は以下となりました。
差額: 21,400円/年
本試算では、自動車主体(保有)での移動の方が公共交通主体の移動より上記差額分のコストがかかる。
この記事を書いている私自身は意外に差額が少なかったことに驚いています。皆様はどう思われますか?
数字の詳細を見ると、中距離以上の外出時には公共交通の費用が大きくなり、結果的に車の維持費用そのものに迫っています。
これを見る限り、中長距離で公共交通を多用する場合と、車で多くをまかなう場合ではコストが逆転することも十分あり得ます。
家族数が増えると(軽自動車は定員4名)一人ずつ料金がかかる公共交通は思ったよりコスト高になるかもしれません。
一方、旅行などにはあまり行かない方は、車なしがコスト的にはかなり優位の可能性が高いです。
但し…この比較には落とし穴があります (私が言うのも…)
私がこれを言うのはどうかとも思いますが、上記の試算は少なくとも以下の点が検討されていません。
・車の購入費用は入っていません。
・雪国のスノータイヤ等の費用も想定していません。
・2台目の車は想定していません。
・もちろん自転車の購入費用も入っていません。
・子どもの年齢が上がった際のライフスタイルの変化は織り込んでいません。(通学手段や活動状況が変わるなど)
・家族が増えた場合のコスト変化を想定していません。
ちなみに車の購入費用は新車購入、中古車購入、車種、利用年数によって大きく変わってきます。
軽自動車で仮にざっと200万円(諸費用込み)の新車を購入し、10年間乗ったとすると単純計算では20万円/1年です。
但し、車も古くなるとメンテナンス費用が想定よりかかるケースは十分考えられます。
以上が経済面での比較です。皆様はどうお感じになりましたか?
続きは 車なしで『田舎暮らし』はありえるのか⑤~それぞれの豊かなくらしって?~《つぶやきコラム》(未公開) で
蛇足になりそう…ですが、書いてみますので読んでいただければ幸いです。またちょっとお時間をいただきます…
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