妻の就職先が長崎市内に決まり、一時期長崎市内に住みました。
母国のオランダともゆかり深い、文化が盛んな町で、生活がとても楽しかったです。
しかし、今後の生活について考えたとき、自然に囲まれた暮らしぶりがより充実した郊外に目を向け、
長崎市内まで通えるぐらいの範囲で、いい雰囲気の町を探し始めました。
いろんな町を訪ねる中で、特に魅力的に感じたのは多良見町の大草村でした。
地域の方々が日曜日の昼に一緒にBBQしながら、子供が遊んでいる様子を思い出します。
「人」も素敵そうだなと思いましたし、海岸沿いに弓型の線路を走る汽車や
みかんの段々畑と石垣の風景が美しいと感動しました。

最初は地域を知るための調査を行いながら、地域に住む住民、
活躍する企業、その他さまざまなプレイヤーとの関係を作ってきました。
大草村で活動されるまちづくり協議会の体験畑の運営をお手伝いしたり、
地域の名産物のみかんについて勉強し、柑橘ソムリエの資格を取得、
みかん農家の様々なお手伝いをしながら知識を深めたり、
地域の良さを東京のイベントで語ったり、
ちょこちょこSNSで暮らしの魅力の発信をしたりしながら活動を行いました。

地域おこし協力隊というのは、自分と地域と、双方が深く知り合う機関だと思います。

地域に暮らす人々を少しずつ知りながら、自分自身を知り、
自分のことも地域に知ってもらい、少しずつ信頼関係を築き、
少しずつ自分が溶け込んでいくことができるのが地域おこし協力隊だと思います。

これは地域によっても違うかと思いますが、
多良見に関しては意外に思ったこととしては、住居です。
空き家なんて、地方に行けばいっぱい良いお家が眠っているでしょうと、
甘く思っていましたが、それなりの競争もありますし、
なかなか希望の地域での暮らしが簡単にできないことも意外とある印象を受けました。

これに関しても、やはり少しずつ仲間を増やしながら、
「探しているんですよ～」と話していく中で、いい出逢いを待つしかないと思いました。

今は自分の強み（言語）を活かしたキャリアに力を入れています。
卒業後は長崎市内の大学に就職し、活動地域に暮らしながら通っています。
今でも地域の団体と積極的に関わって、大好きな大草集落の土地探しを続けています。

秋の行事に参加して、消防団の団員に出逢いました。
もとから入ってみたい気持ちがあったものの、
以前暮らしていた地域では、問い合わせても「満員です」と返されていました。
外国人だから、とは当時も別に思っていませんでしたが、
言語的にいろんな指示などが伝わるかどうか、普通に考えて心配だろうなと思いました。
それにも関わらず憧れの大草村では「こんね！」など、暖かく歓迎してもらえた記憶あります。
今は自分ができることまだ微力ながらも、諫早消防団の一員として活動できること、
大変誇りに思っています。

ぜひ多良見のみかんを食べていただきたいです！
また、おすすめスポットはいろいろありますが、穏やかな大村湾を眺めながら、
旬の魚の刺身やてんぷらなど、長崎の食材が様々揃う豪華な定食が食べられる
「風の彩」というランチのレストランが特におすすめです！

自分の人生の軸となるのは何なのか、今後どんな暮らしをしたいのか、
移住を検討するときにいろいろ考えると思います。
本当に大切なことさえ決まれば、詳細はどうにでもなる、という私の考えは
楽観的にとらえがちかもしれませんが、本当にそう思っています。
大切な人々に話ながら、ぜひ真剣にご検討ください。
都会と田舎の違いは、良い意味で、想像以上に大きいかもしれません。
都会じゃできないことは、本当にたくさんできます。