【徳島が舞台の本#2】生き心地の良い町-この自殺率の低さには理由がある-

「本に登場するこの町…行くとしたら、住むとしたら、どんな感じ?」
著作の舞台になった地域をとくしま移住コンシェルジュがご紹介します
著作紹介
「生き心地の良い町~この自殺率の低さには理由がある~」-岡檀 著
情報・システム研究機構 統計数理研究所 医療健康データ科学研究センター特任教授 岡檀さんによる著作。
戦争被害者への聞き取り調査の際、徐々に心の傷が癒されている人、片や時間が経っても精神的な苦痛に苛まれ続けている人の両方が存在していることに気づきます。
両者の大きな違いとは何か。
その後、考える中で「戦争被害者たちが帰って行った故郷やコミュニティにヒントがあるのではないか」と思い至ります。
あらすじ
徳島県南部のある小さな田舎町は、全国でも極めて自殺率の低い「自殺”最”希少地域」だった。
町民たちのユニークな人生観と処世術。
その極意が、四年にわたる現地調査によって解き明かされていく。
本の舞台
徳島県南部「みなみ阿波」エリアに位置する海陽町。
平成18年(2006年)に海南町、海部町、宍喰町が合併し、海陽町が誕生しました。
著作では現地調査が行われた2008年~2012年の旧海部町での様子が紹介されています。
大里松原海岸、水床湾、竹ヶ島などの景勝地や大砂海水浴場など、美しい海が魅力の海陽町。
サーフィンのメッカとしても知られ、県内外からいい波を求めてサーファーが多く集まります。
2021年には、”世界初の乗り物”として線路と道路の両方を走る「DMV(デュアル・モード・ビークル)」が運行を開始しました。阿波海南文化村~海の駅とろむ(高知県室戸市)を結び、途中海部駅にも停車します。
海陽町に行くなら…
さばせ大福
青く透き通る海原へ 竹ケ島でシーカヤック体験
そして、夏の宵に細い路地を歩いていると、家の前の縁台に腰掛けておしゃべりをしている人たちによく出会う。ひとつの縁台にふたりで向かい合って座っていることもあれば、五人が等しく前を向いてぴっちりと並んでいることもある。 -P34.「この町は何かが他と違う」より
旧海部町では折り畳み式の縁台が備え付けられた「みせ造り」と呼ばれる家屋が今も軒を並べています。
▶海部町の町並み(みせ造り)
漁具を乾かしたり商品を並べたり、折り畳めば雨戸として機能することから、徳島県内では雨と漁師町が多い南部地域で採用されていました。現在は腰かけて談笑したり夕涼みに利用されることが多く、自然と住民が集まり、会話が生まれています。
旧海部町で当たり前に見られる光景ですが、同時にこの町のコミュニティの特徴を物語る要素の一つとして紹介されています。
感想
「生き心地の良い町-この自殺率の低さには理由がある-」をご紹介しました。
普段から海陽町の人たちとの関りがある私は「町民の温かさや朗らかさの理由はこれか!」と、膝を打ちながら読み進めました。とはいえ、そもそも徳島県民には気さくな人が多く、「初対面と思えないほど話しやすかったな」という出会いが頻繁にあるような気がしています。(※個人の見解です)
しかしその一方で、「海陽町(旧海部町)に移住すればノンストレス」と安易に考えてしまうのは要注意です。人と人である以上、合う・合わないは存在するものなので、地域の特性や住民との相性を事前に調べておくことが重要です。
「海陽町の話を聞いてみたい」「海陽町に行ったらどこを訪ねたらいい?」など、ぜひお気軽にご相談くださいね。
そんな海陽町が東京に出張します