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高円寺阿波おどりに行ってきました!

高円寺阿波おどりに行ってきました! | 地域のトピックス

8月26日・27日の2日間に渡って「高円寺阿波おどり」が開催されました。2019年以来、実に4年振りです。
徳島の有名連・踊り連は26日に登場すると聞き、私も高円寺へ行ってきました!
16時頃、JR高円寺駅に到着。祭りが始まるまで少し時間があったので、駅近くのパル商店街周辺を歩いてみることに。
 
左:ホームから見た中央演舞場 右:16時頃のJR高円寺駅


左:演舞場の一つパル商店街 右:第1回高円寺ばか踊り集合場所の長仙寺

さすがにこの日はどこを歩いても人、人、人。
「混むよ」と聞いていましたが、想像以上の人だかりでお祭りムード満点!
電車を降りたホームからもお祭り仕様となった街の雰囲気を確認できます。
商店街やその周辺は飲食店の出店がズラリと並ぶほか、徳島県の阿波おどり用品専門店の製品を扱う商店や踊りの練習場所、高円寺阿波おどりの第1回目の「ばか踊り」集合場所など、阿波おどりにちなんだスポットが集まっています。

時間が近づいてきたのでそろそろ演舞場へ。
この日参加する3つの徳島の連のうち、2つの連がスタートする中央演舞場に陣取りました。

8月26日の運行表

踊り連は高円寺駅を中心に8の字状に街を練り歩きます。
大観客の中一つの踊り連を追いかけることはできないため、お目当ての連がある場合はスタートする演舞場から観覧するのがおすすめ。より早く順番がやって来ます。

 演舞が始まる17時頃、空は晴れ間がのぞく曇り。涼しい風が吹き抜ける過ごしやすい天気です。
いよいよ演舞開始までのカウントダウンが始まりました。踊り手たちの「オーっ!!」という掛け声でこちらも気合いが入ります。

中央演舞場のトップバッターは高円寺阿波おどり連の「天翔連」。アップテンポなお囃子に乗って軽快にやってきた!

…あれ?

なんだか見覚えのあるゆかた姿のような…と目を凝らすと、背中には徳島の「有名連」の1つ「葉月連」の文字を発見!プログラムに載っていなかったので目撃するまで気付きませんでした。

高円寺・天翔連とは姉妹連として結びつきがあり、年に数回、徳島県で行われる葉月連の練習に参加し、技術を磨きながら交流を深めているんだそう。

先導を切って四方八方に舞ったかと思えばサッ!と天翔連の後ろへ。
そろりそろりと進んだかと思えば跳ね、またそろりそろり…
緩急が楽しい葉月連とうちわを使ってゆったりと踊る天翔連のコントラストに大興奮!

そして、もうひとつの徳島の有名連である「悠久連」がやって来ました。
跳ねるような女踊りが先導します。わずかに手足が左右に開かれ、手先はひらひらと開放感のある踊りが特徴的。男踊りは縦長のちょうちんを突き上げるように下から上へ、時折くるりと返し躍動感に溢れています。 
悠久連の女踊りは軽やかに独特のひねりを入れることから「スピン踊り」と呼ばれています。


低く構えて… 跳ねる!

静止画からも伝わるこの躍動感。

続いては3つの有名連からなる徳島県阿波おどり保存協会合同連。
今回は「天祐連」、「かずら連」、「阿波藍連」が演舞しました。


左から天祐連 かずら連 阿波藍連

画像はそれぞれの連の男踊り(男踊りは女性も踊ります)。
衣装や足の運びは違っても、それぞれの特徴を組み合わせて一つの踊りを作り上げています。

阿波おどりは技を極める奥深さがありながら、見様見真似で踊ることもできる守備範囲の広さも魅力の一つ。
実際に職場や趣味、大学のサークル活動で集まった連もたくさん参加します。学生連には四国大や徳島文理大の法被を着た踊り手もいました。
踊りを始めたばかりらしいちびっこ、はにかみながら踊る大人、にこやかに踊る外国人の連。
踊る姿や連の名前から「どんな関係性から集まったメンバーなのかな」と想像するのも楽しかったです。

客席でも「子ども達かわいい」「あの衣装いいね」「先頭の人(高張ちょうちん)って偉い人かな」など感想が飛び交い、終始賑やかな雰囲気に包まれていました。

阿波おどりと高円寺阿波おどりの関係

さて、今や高円寺の代名詞となった高円寺阿波おどり。
「阿波おどりって高円寺が発祥だと思っていました」と驚かれることもあるほど、特に関東圏でその認知度は高いのです。
対して高円寺の踊り手には「徳島=阿波おどりの発祥地であり本場」として知られています。
「自分にとって徳島は聖地なんです」と話してくれた方もいました。

4年ぶりに盛大に開催された開会式では徳島市・内藤市長も挨拶に訪れているほか、来賓には徳島県のマスコット・すだちくんの姿が!

この日もニコニコ、ファンサービスを欠かしません。

杉並区のゆるキャラ・ナミー、大阪・関西万博公式キャラクター・ミャクミャクも観客に手を振ります。

この日徳島県ブースにあったすだちくんうちわを持って行ったのですが、同じうちわを持ったお客さんの姿もちらほら。
東京・高円寺に居ながら徳島を随所に感じられた一日でした。

高円寺と徳島、ふたつの阿波おどりの始まり 

高円寺で阿波おどりが始まったのは1957年(昭和32年)の8月のこと。
商店街を活気づけるための催しをしたいが、神輿を用意する予算はないし、盆踊りのやぐらを組むスペースもない。
どうしたものかと考えたところ、商店街をにぎやかに練り歩くことができる阿波おどりにしようと決まりました。

 
左:高円寺踊り始めの場所 右:すぐ横の「豊喜屋」には阿波おどり製品が揃う

一方、本場・徳島の阿波おどりが誕生したのは1586年(天正14年)頃。
他にも戦国時代や鎌倉時代が起源となった説もありますが、少なくとも430年の歴史があると言われています。
その間に「文明開化にふさわしくない」と取り締まられたり※1、戦争で中止になったり。
しかし徳島の人たちによって復活を遂げ※2、現代まで受け継がれました。 

日本中で愛される阿波おどり

徳島はもちろん、今では日本中で親しまれている阿波おどり。
徳島にゆかりがなくても「エライヤッチャ、エライヤッチャ、ヨイ ヨイ ヨイ ヨイ」という掛け声はなぜか知っていたりしますよね。
「チャンカ チャンカ チャンカ チャンカ♪」と、この二拍子のリズムが日本人の心を弾ませるのかも知れません。
踊りだけでなく鳴り物の生演奏やお囃子がテンポアップする瞬間も盛り上がりどころ!

とくしま移住コンシェルジュ着任から2年越しの念願が叶い、この日は終始鳥肌立ちっぱなし。
余韻に浸りながらひと駅分を歩いた帰り道、「来年は絶対に本場で観よう」と固く誓ったのでした。

【本場の阿波おどりを一年中体感できる!】
■阿波おどり会館:https://www.awaodori-kaikan.jp/

 

(注釈)
※1「地域民間芸能の観光資源化と地域振興-阿波踊りの事例から-」『経営情報研究』第26巻1・2 109-130頁 (2019年2月 摂南大学)
※2萩原 八郎、川村 基「阿波おどりとよさこい祭りの比較研究(第1報)」『四国大学学際融合研究所年報』第1号117-127頁(2020年 四国大学学際融合研究所)