【さがジョブナビ】エンジニアから酒造りの道へ。 佐賀で見つけたやりたい仕事。 |地域のトピックス|FURUSATO

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【さがジョブナビ】エンジニアから酒造りの道へ。 佐賀で見つけたやりたい仕事。

【さがジョブナビ】エンジニアから酒造りの道へ。 佐賀で見つけたやりたい仕事。 | 地域のトピックス

移住のカタチは人それぞれ。いつかは地方に住みたいという方もいれば、  好きな仕事に就くため移住する方もいるでしょう。

佐賀県では「さがジョブナビ」という 県内の企業で働きたい人と人材募集中の企業を結ぶ、求人サイトで、移住先での仕事探しを支援しています。

「さがジョブナビ」には県内企業の求人情報や就活関連のイベント情報はもちろん、先輩移住者がどうやって今の仕事に就いたのか、佐賀県での生活がどうなのかが見える移住ストーリーを掲載中。

今回は、「好き」が講じて日本酒の作り手に興味を持ち、杜氏となられた先輩移住者・後藤潤さんをご紹介します。

後藤潤さん 天山酒造株式会社 製造部 杜氏

名水の里、小城で明治8年から酒造りを営む天山酒造。天山山系の良質な水を使用した酒は辛口の味わいが特徴です。そんな伝統ある酒蔵の杜氏、後藤潤さんは三重県から佐賀に移住されてきました。後藤さんが佐賀で酒造りを始められたきっかけや経緯を伺います!

ー 天山酒造入社までの経歴を教えてください。

後藤 生まれは北九州市の門司で、幼少期は山口県の下関市で過ごしました。そこから就職を機に三重県の四日市へ。工業地帯でプラント計装、計測機器や制御機器の試運転やメンテナンスを7年ほど行っていました。

ー 工業系のお仕事ですね。お酒はお好きだったのですか?

後藤 最初に興味を持ったのは世界のビールです。日本酒は…飲まず嫌いでしたね(笑)でも、あるとき馴染みの酒屋さんから勧めてもらった日本酒を飲んで「おいしい!」と感じたんです。そこから、いろいろ飲んでいくうちに「なぜこんなに味が違うんだろう?」と製造方法に興味が湧いてきました。プラントの仕事も好きでしたが「酒造りを仕事にしたい」と思うようになったんです。

ー どのような経緯で入社されたのでしょうか。

後藤 当時はネットもないので、四日市で働きながら求人情報誌で酒造りの求人を探していました。でも全くなくて「どうしたら酒を造る仕事に就けるのだろう?」と思っていたんです。そんな中、冬休みに下関の実家に帰省して小倉へ遊びに出かけたとき、たまたま手にした雑誌に『あなたも日本酒を造りませんか』という天山酒造の求人が出ていました。「これを逃したら酒造りの仕事には一生出会えない!」と思い、意を決してこの道に飛び込みました。

ー 全く別の道に飛び込んでどうでしたか?

後藤 そう思われがちですが、酒造りには科学的な一面もあるんですよ。もろみの醗酵管理などは機械で温度制御をしますので、工場で働いていた経験が役に経ちました。ただ、やはり酒造りは人の手の感覚や経験で進める工程もあります。それはエンジニアの頃にはなかったので新鮮でしたね。また日本酒は「味わい」という、数字では測れない部分を表現するところにも面白さを感じます。

ー 酒造りにおいて心がけていることはありますか?

後藤 私は「和醸良酒」という言葉を胸に刻んでいます。この言葉には2つの意味があり、一つは私たち造り手が和を大切にすることで良い酒が醸す(生まれる)こと。もうひとつは、良い酒が人々の和をつくるという意味です。酒造りには長い歴史もありますし、酒は人と人をつなぐ大切な役割を担ってきたのだと感じます。

ー 社内には表彰状もたくさん飾ってありますね。

後藤 おかげさまで国内外さまざまな賞をいただきました。私が杜氏になってからだと、特に印象深いのはフランスで開催される「Kura Master」という日本酒のコンクール。2017年に「七田 純米吟醸 雄町50」が最優秀のプレジデント賞を受賞したんです。フランス人のシェフやソムリエから食中酒として評価されたことが大変うれしかったです。

ー 入社される以前、佐賀に来られたことは?

後藤 ありません。実家でゼンリン地図を広げて、家族と「会社の近くに小学校はあるぞ」なんて話していましたね。佐賀には縁もゆかりもなかったのですが、会社のみなさんや地域の人々にあたたかく迎え入れてもらいました。唯一、すこし困ったのは方言です(笑)

ー 移住されてからの佐賀の印象はありますか。

後藤 実際に住んでみると佐賀は自然が豊かです。小城を流れる祇園川には、ホタルが飛び交う美しい自然が今も残っています。また最近は再びバイクに乗り始めてツーリングを楽しんでいるのですが、県内各地で美しい風景や美味しいお店を見つけて「佐賀にはいいところがたくさんあるなぁ」と、あらためて感じています。

ー 今後、取り組みたいことを教えてください。

後藤 私が入社した頃は季節雇用の杜氏や蔵人(くらびと)を中心に酒造りを行っており、私も彼らから酒造りを学びました。それから酒蔵の社員が酒を造る時代へと変化しました。どちらも経験している身としては、酒造りの歴史を若い社員に伝えながら、先人たちから受け継いできた「天山酒造の味」を守っていきたいです。

ー 酒造りも佐賀の伝統のひとつですしね。

後藤 最近うれしかったのは、若手社員が「酒造りって本当に面白いですね」と言ってくれたこと。彼もお酒が好きで異業種から転職してきたんです。また製造担当の女性が「日本酒の美味しさを伝えたい」と、東京で開催されるフェアなどに参加してPRしてくれています。「面白い」とか「好き」という気持ちは、この仕事をやっていく上で一番大切な部分だと思います。

ー 佐賀で仕事を探している方にメッセージはありますか?

後藤 佐賀の人々はあたたかいので安心して来てほしいということです。また自然豊かな風土ですので、お子さんをのびのび育てたい方にも良い環境だと思います。日本酒のアテになる、美味しいものもたくさんありますよ(笑)私は佐賀で仕事も生活も充実した毎日を送っています。

佐賀の仕事探しは「さがジョブナビ」で!