移住ストーリー

いちご農家への転身で見えた、家族のかたち

兵庫県→栃木県真岡市
2017年移住
西橋 昌洋さん
いちご農家

2019年8月24日、ふるさと回帰支援センター内で栃木県のセミナー『いちご生産量日本一のとちぎでいちご農家始めませんか?』が開催されました。この日ゲストとして登壇されていた西橋昌洋さんに、お話を伺いました。

西橋さんは兵庫県神戸市出身。大阪でIT企業に勤務していましたが、一念発起し就農を決意。足掛け4〜5年ほどかけ、栃木県真岡市に移住し、奥様と一緒に新規就農を果たしました。現在独立2年目。西橋さんの真岡市での生活に迫ります!

海外経験と子供の笑顔が転身の決め手に

IT企業から農家への転身には、どのようなきっかけがあったのでしょうか。西橋さんに聞いてみると、雇用先の就業形態が安定せず転職を考えていた矢先、ふと頭によぎったのが農業だったそうです。

「25歳の時にワーキングホリデービザを利用してニュージーランドで生活をしました。当時働いてたブドウ畑の広い土地で、のんびり生活をする現地の人たちの姿に惹かれたのを思い出しました」

と西橋さん。その中でも“いちご”に決めたのは、大阪で毎年のように家族で行っていたいちご狩りがきっかけだったそうです。

「子供がいちごをもりもり食べて楽しそうにしている姿を見て、『いちご農家もアリなのかな…』と漠然と考えていました」

そんな中、第二子が産まれることをきっかけに東京へ転勤。
たまたま浅草で開催されていた「新農業人フェア」に参加しました。

「そこで、栃木県真岡市にはいちごの労働時間軽減のためパッケージセンターが利用できることを知りました。ここにパック詰めを依頼すれば、家族の時間も持てる!と思ったんです」

これを決め手に、日本一のいちご産地である真岡市への移住を決断したそうです。
移住を進めるにあたり、西橋さんはまず奥様へご自身の想いを伝えました。「収入の目途がたつのか」「知り合いのいない土地でやっていけるのか」など、奥様からは不安の声があったそうです。そこで西橋さんは、移住後の生活シミュレーションを10年計画で説明。奥様も「それならやってみよう」と納得され、真岡市への移住が実現しました。

当日のセミナーでは、そういった移住までの経緯やエピソードも参加者の方々へ伝えた西橋さん。熱のこもったお話と『リアルな移住体験談』に、皆さん熱心に耳を傾けていました。

セミナーでの様子。参加者に就農や移住の経緯について語った

「新規就農塾」で感じた農業の厳しさ

2017年に移住し、真岡市管内の農協、JAはが野で実施されている「新規就農塾」で1年間の研修を受けた後に念願の独立。心配をよそに、想像以上のいちごが収穫できました。しかし、その分苦労も多かったそうです。

「想像を超える炎天下の作業や、ハウスの修理や建設が本当に大変でした。そして何よりショックだったのが、台風で育苗ハウスが倒壊してしまったことです。初年度にこれか…と思いました」

それでも、やればやるだけ所得につながったり、近隣のベテラン農家さんに助けてもらったりと様々な魅力に惹かれて、農業を楽しんでいるようでした。
2年目からは奥様も一緒に取り組み始め、夫婦でいちごづくりに取り組んでいます。

ハウス建設中の様子。西橋さんの前途を祝すように、空には虹が(写真左奥)

独立2年目!家族と過ごす時間が心の支えに

「初めて自分が育てたいちごを妻のお母さんに見せた時に、目を潤ませて喜んでくれたんです。その時は、本当に頑張ってよかったって思いました」と嬉しそうに語る西橋さん。西橋さんの話には家族の話題がたくさん出てきて、とても温かい家庭であることが伝わってきました。

「農業って、ある程度の自由が効くから、家族との時間を大切にできるんです。授業参観や幼稚園のお祭りにも参加できるし、子供と毎日一緒にお風呂に入れるなんて、企業に勤めている時は考えられなかったです」

では、移住前と後の生活にギャップはなかったのでしょうか?
奥様に伺ったところ、「こんなはずじゃなかった」というようなことはなく、とても充実した日々を過ごされているそうです。

「子供と向き合う時間や近所の方との交流など、余裕をもって1年間過ごせたことが大きかったですね。最初の1年は夫のみ研修を始めて私は子育てに専念していたんですけど、子供たちが幼稚園と小学校へ入学したことを機に、2年目からは私も就農に取り組み始めました。子供と接する時間が減ってしまうのではという不安もありましたが、親の心配以上に子供が楽しく過ごしている姿を見て、今は安心していちごづくりに取り組めています」

奥様のお話からも、ご家族の充実した暮らしが思い描かれます。

「今後はハウスを増やしたり、反収を上げる技術を磨いたり、ネット販売を始めてみたりしたいです!」と力強く語る西橋さん。「移住って本当に勇気がいることだけど、人生を賭けているならリタイヤしないで最後まで頑張ってほしいです!」と、移住を希望されている方へのメッセージもいただきました。

2人のお子さん。移住をしたことで団らんの時間が増えた