移住ストーリー

二地域居住を経て、古民家に出会い完全移住

2019年移住
東京都→長野県塩尻市→松本市
塩田 朱美さん
信州暮らしパートナー、四賀きま移住相談室室長

松本安曇野への移住を実現して、憧れていた畑中心の生活をスタートさせた塩田さん。ところが地域イベントの実行委員に誘われたことをきっかけに、さまざまな地域活動に関わることになり「東京に住んでいた時には考えられないほどの充実感を得ています」と嬉しい悲鳴を上げているそう。移住を希望する方へのアドバイスも聞きました。

自然の中での暮らしを目指して

東京で生まれ育ちましたが、昔から「自然の中で自給自足的な暮らしがしたい」と思っていました。北アルプス登山中に知り合った夫も同じような考えで「将来は松本安曇野に移住」が合言葉に。2015年に塩尻市でログハウスを購入し、東京との2地域居住後、現在の松本市四賀地区に完全移住しました。ネットで見つけた大黒柱のしっかりした堂々とした古民家に一目惚れしたことがきっかけです。

通い慣れた松本安曇野でしたが、そこから少し奥に入った四賀地区はまるで知らない場所でした。チェーン店も多く、買い物も都会と遜色ない松本安曇野の街中から車で20〜30分の四賀。まるでタイムスリップしたような錯覚を覚えるほど自然が豊かで、ジブリの世界に入り込んだ気分です。
早春の福寿草、水仙、桜、夏まで鶯のさえずりが聞こえ、夏になればホタルが飛び交い、秋には錦絵のような紅葉、冬の夜には満天の星空が楽しめます。

松本中心地には美術館・音楽ホール・映画館などなんでも揃っています。自然溢れる中で暮らしながらも都市の便利さを享受できる、いいとこ取りの地域です。
そして四賀は善光寺街道や江戸街道など古くからの交差点でもあったおかげか、新しい物事や人を受け入れる場所でもあります。かといって踏み込んでくることもなく、程よい距離感で見守ってくれます。

塩田さんが育てた野菜。瑞々しく美味しい

憧れの自給自足生活のはずが、移住相談室室長に

私自身は東京でテニスコーチなどの仕事をしていましたが、結婚を機に引退し、主婦をしながら将来の自給自足生活を目指して菜園作りに精を出していました。
現在は、畑仕事を生活の中心にするはずが、移住相談室室長として問い合わせ対応や物件案内、地域の魅力発信などの活動が暮らしの中心となっています。

移住してきて間もない頃に参加した勉強会で誘われ、そのまま地域イベント「四賀にきましょ!」の実行委員に。現在は移住相談室、協議会だよりの編集発行、案内板更新プロジェクト、食生活改善委員等、様々な地域活動に参加しており、東京に住んでいた時には考えられないほどの充実感を得ています。

地域を良くしていく事が、自分達自身の気持ち良い暮らしに繋がる

苦労といえば、限られた人数で様々な地域活動をこなしているせいで時間が足りないことです。移住相談室はホームページ「ハレホレ四賀」をご覧になった方からの問い合わせ対応に追われて嬉しい悲鳴を上げています。
様々な事のしわ寄せが、大切なペット達のお世話や畑仕事に行ってしまい反省しています。今年は昨年の経験を生かしながらペース良くこなして行きたいと思っています。

町会のお付き合いでは、役員も引き受け、わからない事を教えて頂きながら活動しています。「町内会」というと古めかしい仕組みに感じて敬遠される方もいるようですが、地方では行政が全てを整えてくれるわけではなく、地域住民がお互い様という気持ちで関わっていく必要があります。新しく移住される方にも、町会に加入するようお話ししています。

移住希望者を案内している塩田さん(右)。移住経験者だからこそ伝えられることも多い

移住を考えているなら、目標期限を決めて

「鉄は熱いうちに打て」といいますが、「○年以内」「○歳まで」などと目標期限を決めてみると良いですね。また、希望する項目を紙に書き出してみる事。我が家も現在の住まいに出会うまでに数十件の物件を見ましたが、実際に現地に足を運んでみる事もお勧めです。自分たちの希望がはっきりして、判断がしやすくなります。物件とは出会いなので、ほんの判断のタイミングで他の人の物になってしまう事があります。

移住相談室のお客様で「もう40年も探しているけれど決まらない」という方がいらっしゃいます。決して冷やかしでなくすごく真剣に探されているのですが、難しいようです。なんとなく時間が過ぎてしまうと体力も衰えてきたりして「あと10年早く移住していれば…」という声は、あちこちから聞こえます。希望するエリアが決まっているなら賃貸アパートなどに越して来てしまってから、腰を据えて住居を探す方もたくさんいます。
美しい景色、きれいな空気、美味しい水や食べ物。都会暮らしでは「わざわざ出掛けて行って楽しむ物事」が日常になる、本当に贅沢で幸せな暮らしが待っていますよ。

「四賀にきましょ!」の様子

(※このインタビューはふるさと回帰支援センター発行の情報誌「100万人のふるさと」2022年早春号掲載の内容をWEB用に一部再構成したものです)