長野の大自然に囲まれながら 家族との時間を大切に暮らしたい

会社員 倉田 啓靖さん
- 移住エリア
- 東京都→長野県安曇野市
- 移住年
- 2024年
家族で上高地へ出かけた倉田さん(写真左手前)
「子供が初めて『パパ』と呼んだ瞬間に立ち合えて、本当に感激しました」と語るのは、倉田 啓靖さん。東京では片道40分かかった通勤時間が、長野県安曇野市への移住で自転車10分に。この時間のゆとりが、家族との絆をより一層深めました。
奥様の妊娠をきっかけに子育てへの意識が高まった啓靖さんは、かねてより考えていた長野県への移住を決断。ここから、倉田さんの移住ストーリーは本格的に動き始めました。
目次
都会より田舎のほうが自分のやりたいことができる
朝、目覚めると窓の向こうに北アルプスの美しい稜線が目に飛び込んでくる。足元に視線を落とすと、一面に広がるのは青々と茂る田んぼの風景。
「毎日、贅沢だなあと思います。今日はどこまで見えるかな、雨が降っているのかなと、考えながら外をのぞくのが楽しみで。季節の変化を身近に感じられるようになりましたね」
そう語る倉田啓靖さんは2024年、家族3人で東京から長野県安曇野市への移住を実現した。実家はスカイツリーのすぐ近くという、東京の下町育ち。でも、アクティブでアウトドア好きだった彼にとって「田舎のほうが自分の好きなことが楽しめるのではないか」と漠然と感じていたという。
その思いが決定的になったのは、信州大学へ進学してからのことだ。長野県で自然が近くにある暮らしの心地よさを知り、アウトドアサークルで自然を全身で味わい尽くした。
「結婚したら田舎で子育てしたいな、住むなら長野がいいな、と考えるようになっていましたね」

毎日見るのが楽しみだという自宅からの眺め
妻の妊娠・出産を機に安曇野への移住を決意
教員を目指して入った教育学部だったが、自分の進む道は教員ではないと感じたという倉田さん。卒業後は東京に戻り、学校にパソコンやソフトなどを提供するITソリューション会社に入社した。教育現場を支える仕事に充実感もあったが、頭の片隅には「いつか長野へ」という思いがくすぶっていたという。
「東京では週4、5回バドミントンをしていたんですよ。バドミントンって東京じゃなくてもできますよね(笑)。東京は仕事も遊びも選択肢は多いけれど、僕は東京の良さを生かせない人間なんだと思いました。就職して3年後に結婚し、妻の妊娠がわかったタイミングで移住へ向けて動きだしました」
のんびりだけど不便すぎない 安曇野のちょうどよい暮らし
移住先は、もちろん長野。妻の出身地だったこともあり、義両親が近くにいれば育児面で安心という思いが後押しした。では長野のどこに住もうか?と検討を始め、ふるさと回帰支援センターと長野県が共催する移住フェアに参加。そこで安曇野市に本社を構えるパソコンメーカーのVAIO株式会社 と出会い、転職を決めたことで移住先も定まった。
「安曇野は田園風景が広がるのどかな場所。それでいて松本に近いので不便すぎないし、買い物にも困らない。VAIOなら自分のキャリアを生かせるし、安曇野は妻の実家にも通いやすい。全ての条件が揃ったんですよね」
移住にあたり、東京圏からの移住者を対象とした長野県の移住支援金制度を活用。生活に不可欠な自動車を購入できたことで、移住直後から快適な暮らしが可能になった。転職先に引っ越し費用補助の対象としてもらえたこと も、大きなサポートになった。「初期費用を抑えられたことは、地方移住のハードルを大きく下げる要素だった」と倉田さんは言う。

転職先では自社PCの導入企業をサポート
家族との時間を大切に 自分のペースで暮らせる喜び
誕生したばかりの第一子と共に、安曇野に移住して1年が過ぎた。入居した部屋から、安曇野らしい山並みと田園風景を楽しむ日々。職場へは自転車で10分ほど。運動がてら30分かけて歩くこともある。「景色のいいところに住みたい」というのは妻の希望だったが、景色がいいとこんなに気分がいいのかと驚いたという。
「東京では電車で片道40分ほどかけて通勤していたので、そのぶん家族との時間が増えました。子供が初めて『パパ』と呼んだ瞬間に立ち合えて、本当に感激しました。近くに公園も多いし、子供の医療費が無料なのもありがたい。子育てには最高の環境だと思います」
安曇野は移住者も多く、移住してきたことで特別視されることもない。県内では雪の少ない地域なので、大変に感じることもなく「しいていえば窓から時々カエルが跳び込んでくることぐらい」と笑う。6月には第二子も生まれる。大好きな家族と自然に囲まれながらの安曇野生活はますます充実しそうだ。

家族で楽しめる場所が多いのも魅力の一つ
(※このインタビューはふるさと回帰支援センター発行の情報誌「100万人のふるさと」2025初夏号の内容をWEB用に一部再構成したものです)

会社員 倉田 啓靖さん / くらた ひろのぶ
東京の下町で育つ。大学への進学をきっかけに長野への移住を意識し始める。卒業後、東京のIT企業に就職したが、妻の妊娠を機に再び移住を検討。2024年、家族3人で長野県安曇野市へ移住。