移住事例紹介

『お試し移住』のはずが、住み続けてみたい心地よい場所に

東京都→山形県上山市
2016年移住
草替 実優さん
ヨガリトリートハウス空 代表

2019年9月21日にふるさと回帰支援センター4階で山形県のセミナー『やまがたハッピーライフカフェ〜山形の仕事と暮らし〜』が開催されました。そこでセミナーのゲストとしてお呼びした草替実優さんの、移住体験や現在の生活について迫りました。

草替さんは東京都出身。2015年に旅行で訪れた南インドで初めてヨガに触れ、インド伝統医学アーユルヴェーダのドクターらに師事。ヨガやアーユルヴェーダの学びを深めます。
2016年に、地域おこし協力隊として山形県上山市へ移住。3年間の任期を終え、2019年にヨガ教室『ヨガストリートハウス空』をオープンしました。
現在は南インドで学んだ知識を生かし、各種ヨガ教室やアーユルヴェーダワークショップなどを開催しています。

「上山市で自然を身近に感じながら、自分の感覚に身を委ねる時間は、ほっとひと息つける、ゆたかな時間」と話す草替さん。今回は、草替さんがなぜ移住を決断し、その後も上山市に住み続けているのか、その移住体験に秘められた思いをお聞きしました。

偶然の連鎖で出会った上山市

上山市への移住を決めた経緯について、草替さんに尋ねました。

「どこか住みたい場所があったわけではなかったけれど、東京で歳をとっていくのは想像できなかったんです。いつか東京から離れて生活したいな、と考えていました」と草替さん。

そんな中、2016年に友人に勧められてお台場のビッグサイトで開かれていた『JOIN移住・交流&地域おこしフェア』に参加しました。希望の移住先が特になかった草替さんは、声をかけられたブースの話を聞いて回りました。

「4ブースくらい回りましたが、どこのブースに行っても、仕事の候補として提案されるのが農業、介護、子育て関連などの専門的なお仕事ばかりでした」

移住地の選択肢は沢山あるけれど仕事の選択肢は少ないのではないか、資格も持っていないのに軽い気持ちで転職していいのか、などと悩んで帰ろうとしていたところ、声をかけられたのが“上山市”でした。

新しい地で、移住相談窓口の立ち上げスタッフに

上山市に移住すると決めた、その決め手は何だったのでしょうか。
草替さんに聞いてみました。

上山市のブースで提案されたのは、地域おこし協力隊として『移住コンシェルジュ』に取り組むミッションでした。
『移住者目線での移住相談窓口』として、イベントやツアーの企画、上山市をPRするパンフレットなどを作成する仕事です。

「初めて『これならできるかも…?』と思えるようなお仕事の提案でした。ただ、その時点で『移住したらそのままずっと上山市に住み続けよう』と考えたわけではなく、『1年だけ行ってみよう』という、お試し移住のような感覚で移住を決めました」と草替さん。

そして、2016年の4月から窓口の立ち上げスタッフとして上山市で移住コンシェルジュの仕事を始めました。
移住コンシェルジュの任期は最長3年。草替さんは3年の任期を完遂し、その後も上山市で暮らすことを決めました。

「自分の中ではお試し移住だったので、3年どころか、その後も上山市に住むなんて、思ってもいませんでした」
と草替さん。

そんな草替さんが、その後も上山市に住み続けようと思った理由とは?
次は、現在の草替さんの生活に迫ります。

地域おこし協力隊として活動

まるで実写版ジブリ映画の世界!
自然の流れを感じられるまちでヨガ教室をオープン

草替さんが初めてヨガに触れたのは、2015年に旅行で訪れた南インドで体験した時でした。

「南インドでの、優しい色合いのカラフルな柱と屋根だけのシンプルな場所で、風や雨の音、鳥の声を聴きながら自分の呼吸と体に意識を向け、自分の“今の状態”を感じるヨガの時間はとても心地よく、自然とヨガの深みにはまっていました」
と、インドですっかりヨガに魅了されたという草替さん。帰国後も東京にいる間は自分の整体のためにマンションでヨガを続けていました。

「南インドで自然の音や景色を身近に感じながらヨガを学んだ私にとって、東京の閉鎖された空間でやるヨガには違和感を感じていました。上山市での、生活空間と自然の距離が近い、実写版ジブリ映画のような景色の中で過ごす時間は、目と耳から入ってくる情報がとても心地よく、ヨガを取りいれた生活に合っているなと感じました」

2018年3月に移住コンシェルジュの任期が終わる1年前に、上山市から「定住に向けて何かやってみないか」という提案を受けた草替さん。
そこで、地域の方ともヨガができるように、上山市でヨガ教室を開始しました。現在は、上山市内外の方々が一緒になってヨガを楽しめるイベントを企画するなど様々な活動をしています。

「この土地に来なければ出会わなかった人たちとヨガを共有できること、『体が軽くなった』『気持ちよかった!』と言ってもらえる瞬間がとても嬉しいです」

ヨガ教室を開いている草替さん

地域おこし協力隊に着任してからの3年間はアパート暮らしでしたが、今年から一戸建て暮らしに挑戦している草替さん。
「これから、一人で一戸建ての雪かきをする初めての冬が到来します。乗り越えられるか不安はありますが、自然を身近に感じながら過ごせる日々の生活のゆたかな時間を楽しみながら、この上山市での暮らしをこれからも続けていけたらいいなと思っています」と笑顔で話してくださいました。

最後に、現在移住を考えている方に向けてメッセージを頂きました。

「移住を考えている方の中には、本当に熱心に移住先の情報をリサーチされている方もいらっしゃると思います。ただ、やっぱり文字や写真、映像で想像するのと実際に暮らしてみるのとではイメージと違うこともあったり、住んでみないと分からないことも沢山あります。だからまずは、神経質になり過ぎずに移住先で生活をしてみて、暮らす中でその土地が自分の肌に合うかを感じながら、新しい暮らしを楽しんでみるのもいいのかなと思います」と話してくれた草替さん。
草替さんのストーリーからも、その言葉を裏付ける説得力を感じました。

好きな場所で好きなことをして暮らす草替さんは、常に笑顔が印象的でした。セミナー中も、参加者の皆さんは楽しそうに話す草替さんの話に、熱心に耳を傾けていました。

草替さんの上山市での移住生活は、これからが本当のスタート。
今後の活躍もとても楽しみです。