相談に来る方の夢を聞くことが楽しい
-まずは三重県との関係や、相談員になったきっかけを教えてください。
清水さん:私は神奈川県出身です。以前は保育士をしていましたが、次第に都会の慌ただしい生活に疑問を持つようになり、地方での生活に興味を持ちました。今まで特に地方との繋がりがなかったので、何かきっかけを見つけられるのではと思い、ええとこやんか三重 移住相談センターの求人に応募しました。
-清水さんは、三重を知るために活動していることはありますか?
清水さん:月に1回、三重県を回り、各自治体の移住担当者に地域の話を聞き、案内をしていただいたり、移住者の方と交流を持つなど、三重のことを学びながら常に現地の新鮮な情報を入手しています。私も受け入れてもらう立場として三重県に行っているので、現地の生の声を吸収しつつ、相談者の方と同じ目線で話ができるのは強みかなと思います。今ではすっかり三重大好きっ子です。
-どのようなところに移住相談員のやりがいを感じますか?
清水さん:相談に来る方は、こんな生活をしたいという夢のある方が多いので、話をしていてとても楽しいです。また、三重県に移住した方が楽しそうに暮らしているのを見ると嬉しくなります。地元の声と相談者の希望がうまく繋がった時に、じわじわと喜びを感じますね。今まで出会わなかったような色々なジャンルの方々に会え、とても刺激になります。
現地に足を運ぶことで移住後のイメージがどんどん膨らむ
-清水さんが三重県に通う中で、特にいいなと思ったのはどんなところですか?
清水さん:私は、三重のおばあちゃんが大好きです。出張で、ある漁師町を訪れた時、日当りのいいベンチに元海女さんのおばあちゃんが4人座っていたので、写真を撮らせてくださいと言ったら、恥ずかしがって「いやいや、この若い人だけ撮って」と言うんです。その若いと言われたおばあちゃんは80代で、ほかの方は90代!とても可愛らしかったですね。船に乗って海女さんを見学したときには、地元のおばちゃんが「濡れるから着なさい」と、かっぱを貸してくれたり。初対面の人にもとても優しいんです。このほのぼのとした交流は都市部ではなかなか味わえないのではないでしょうか?
-三重に移住したくなりますか?
清水さん:そうですね。実際に足を運んで地域の人の心に触れると、移住後の生活のイメージがどんどん膨らんでいきます。先日は松阪牛の牛舎を見せてもらいましたが、牛の体が傷つかないように、牛舎が木で手作りされていて、その思いに感動しました。私がここに住んだら、牛舎で大好きなロバが飼えるかな?ロバに乗って出勤できるかな?など、他にも行った先々で色々な妄想を繰り広げては、そこでの素敵な暮らしをイメージしています。
夫婦同じ目線で移住を決めて欲しい
-これまでの相談者、移住者の方で、印象に残っている方は?
清水さん:炭焼き職人になりたいと相談に来た方がいました。「せっかくなので、奥様も一緒に体験に行って見聞きしてください」と言い、紀北町の炭焼き職人を紹介しました。旦那様は職人体験で盛りあがり、同行した奥様も紀北町を気に入ってくれたそうです。やはり夫婦で移住するなら、現地視察の段階から一緒に行って欲しいですね。地域とのコミュニケーションも、実際の生活となると女性のほうが関わることが多いので、女性の目線もがとても大切だと思います。
実はそれ、ぜんぶ三重なんです
—清水さんの考える、三重県の魅力とは?
清水さん:三重県は地域によって大きく特色が違い、たくさんの顔を持っているところがとても面白いと思います。海、山、川があり、食も観光地も豊富。アクティビティも三重県の中で完結します。あと、歴史が好きな方にとっても楽しい場所です。
-三重には有名な観光資源も揃っていますね。
清水さん:三重には伊勢志摩、松阪牛、鈴鹿サーキット、忍者の里 伊賀などたくさんの名所があるのですが、各々が有名になりすぎて、実は三重県であると知られていないんです。「実はそれ、ぜんぶ三重なんです」というキャンペーンもしていたんですよ。
でも、ここまで三重という名前が出てこないなら、いっそのこと貫いたほうが(笑)。それが逆に売りになって面白いかもしれないですね。
-移住を考えている方、悩んでいる方にメッセージをお願いします。
清水さん:まず移住後の生活のイメージを膨らませて、「こんなことをしたら楽しいかな」ということをたくさん作ってからセミナーや相談に来て欲しいです。夢が多いほうが選択肢も増えますので、その中から自分にできそうなことを絞り込んでいき、具体的に現地の方に会うなどして、ひとつひとつ決めていくのが良いと思います。