移住相談員紹介

「ちょこっと田舎・かながわライフ支援センター」相談員 柳沢さん・小島さんインタビュー

2人の経験を活かして、神奈川県の移住促進活動をサポート!

東京から約160㎞の新島に移住した経験を持つ柳沢さん。生まれも育ちも横須賀市、神奈川県への郷土愛いっぱいの小島さん。二人は経験を生かして「ちょこっと田舎・かながわライフ支援センター」にて移住促進活動を行っています。柳沢さんと小島さんに、これまでの経験や現在の活動についてお話を伺いました。

得意なことを活かしながら、地域の人たちと支え合う「田舎暮らし」

-新島で移住生活をされていたとのことですが、きっかけを教えてください。

栁沢さん:秋田県で生まれ育ち、就職を機に18歳で上京しました。都内のホテルなどで仕事をした後、福祉の仕事に就くため学校へ入りました。卒業にあたり、都内や湘南エリアなどで就職活動をしたのですが、なかなか条件の良いところがありませんでした。湘南エリアを希望したのは大好きな海の近くで暮らしたかったからなのですが、そういえば島へ行けば周り全部海だよな、と。

たまたま新島の福祉施設で求人があり、問い合わせをした数日後に面接を受けるために新島へ行きました。新島へ行くのも初めてだったので、こちらからお願いした条件は「住むところだけ世話をしてほしい」というただひとつだけ。それ以外は大して確認もしなかったため、初任給の額を知ったのも支給されたタイミングでした(笑)

新島村にいた頃は日常的に自給自足の生活をしていた(栁沢さん)

-島での移住生活はどのような感じでしたか?

栁沢さん:福祉の仕事は4年半ほど携わり、その後はアート活動(作品作りとアートスクールの運営)や環境保全・啓蒙活動をメインに都立高校で非常勤講師や村の介護予防事業をしていました。シーグラスや流木、貝殻でアート作品やアクセサリーを作ったりしていたので、近所の子供と一緒に海へ出て、材料集めを兼ねてゴミ拾いをしたりしていたんです。そういう姿を地域の人たちが見ていてくれて、小学校からもゲストティーチャーとして招かれたり、作品の作り方を教えるために講師をしたり。島興しの活動や漁師の手伝い、庭の畑を耕したりもしましたね。

島での生活は、都心のように安定した収入が得られるとは限らず、「その日暮らし」のようでした。会社のような縛りがなくなる分、自由度も高くなりますし、地域の人たちはそうやって助け合いながら暮らしているので、僕みたいに複数の仕事から収入を得るスタイルもよくあります。

空き店舗をアトリエにしたり石造りの古民家に住んだりと、セルフリノベーションも大変でしたが楽しかったですね。家庭の事情で島を離れるまでの15年間、そんな田舎暮らしを楽しんでいました。

相談員になったきっかけとは

-ちょこっと田舎・かながわライフ支援センターで働き始めたきっかけは何でしょうか?

栁沢さん:新島での経験は、一般企業ではなかなかキャリアとしては認められず、15年間ドロップアウトしたような扱いになってしまいます。ですが、移住関係の仕事であれば「ちょっと面白いヤツがいるぞ」と捉えてもらえるのではないかと考えました。ちょうどその時にふるさと回帰支援センターの求人を見つけました。面接でも神奈川県は移住促進活動を最近始めたばかりで情報も少ない、スタートラインに立ったばかりだがそれを前提にやってみないかと言われ、2016年4月に就任しました。

小島さん:私は横須賀市で生まれ育ちました。最近まで移住を考えたことは全くありませんでした。縁あって、他県の移住相談窓口で事務職に就いていた時に、たくさんの相談者さんの色々な事情や考えを耳にすることで、「ふるさと」「移住」という言葉がぐっと近い存在になりました。偶然ですが、その窓口で働き始めてすぐに2組の横須賀市出身の相談者が来訪され、1年も経たないうちに2組ともその県へ移住されました。「横須賀はとてもいいところなのに…。1週間に1つの県だけで2組も。年間、全国レベルで考えたら一体どのくらいの横須賀市民、神奈川県民が流出してしまうのか?」と不安を感じると同時に自分の中にあった「郷土愛」に初めて気づかされました。

また改めて地元のことを考えてみると、意外と知っているようで知らない事が多いなあと。もっと神奈川県のことを知りたいと思いました。その新しい知識と今までの経験を持って、愛着のある神奈川県の魅力をできるだけ多くの人に発信し、伝えていくことで移住のサポートに役立てるができればと考え2020年4月に「かながわ暮らしのコーディネーター」に着任しました。

小島さん

-神奈川県内での「地方暮らし」とは、どのようなイメージになるのでしょうか?

栁沢さん:神奈川県は首都圏の中でも東京に次いで交通網が発達していますので、都心やご自身の出身地へもアクセスしやすいのが強みだと思います。そのため、スタイリッシュで便利な生活と豊かな自然の中での田舎暮らしを両立させたいというニーズを満たすには、最適の場所だと思います。

地方への移住を考えている方がよく挙げる不安として「地域の人たちになじめるかどうか」というものがありますよね。都心の温度感、人や地域との距離感に慣れている方が、田舎のコミュニティの在り方を知らずに行って疲弊してしまうのは非常に残念なことです。ですが、その面でも神奈川県は選択の幅が広いという特徴があります。地域の活動にも関わりながら古民家をリノベーションするなど田舎らしい生活を送ることもできますし、地域との関わり方に不安があるならば、マンションや別荘地など比較的都心の温度感に近い環境から暮らし始めることも可能なのです。

小島さん:県内は横浜・川崎、県央、三浦半島、湘南、県西の5つの地域に分かれ、それぞれの地域がさまざまな顔を持っています。県内移動はアクセスが良いので、仕事は東京へ通いながら自然環境を満喫することもできますし、飛行機や新幹線に乗らなくても気軽にちょこっと田舎な風景に出会えることができるのも魅力です。

県内で人口減少の気になる地域の移住促進活動をサポート

-「神奈川県で移住促進活動」というと意外な印象を持つ方もいるかと思いますが、具体的にはどのような活動をされているのでしょうか?

栁沢さん:神奈川県全体でいえば人口は年々増加しているため、県として移住促進の活動に取り組んだのは、最近です。というのも、県内にも三浦半島や県西部など人口減少が始まっている地域があり、そこへの手立てをする必要が生じてきたんですね。現在はそういった地域の魅力を知っていただくためのイベントを開催したり、センターの窓口で移住希望の方の相談に応じたりしています。

-相談にはどのような方がいらっしゃるのでしょうか?

栁沢さん:相談に来られる方は20代~80代と幅広いのですが、他県と比べると中高年の方の割合が若干多い印象ですね。移住に必要な最低限の情報として、雇用と住宅に関するものがありますが、神奈川県の場合インターネットで情報が集めやすいので、若年層の方はご自身の力で移住に向けて動かれる方が多いのかもしれません。行政の立場という側面もある「かながわライフ支援センター」としては、ネットを使ってご自身で情報を集めるのが得意ではない方をサポートするのもひとつの役割と考えています。

小島さん:若い方や働き盛りの方から一線を退いてゆっくり暮らしたい方まで、幅広い年代から相談があります。新型コロナウイルス問題で、人生を考える時間が増えて「今動き出そう」と相談に訪れる方も多いですね。

地元民として、移住経験者として。2人だからこそできるサポートを全力で

栁沢さん

-主にどのようなアドバイスをされているのですか?

栁沢さん:新島で移住生活をしていたときの経験を踏まえて、移住するにあたり調べておくことや心構え、想像される移住後の暮らしなども含めてアドバイスさせていただくことが多いです。どこの地域でもいえることですが、移住前までより移住後のほうが大変です。移住先でどう暮らしていくのか、地域の方たちとどう関係を作っていくのか。そういった、移住に関する地域情報だけでなく、もう少し外側にある概略についてもお話しています。

自分が移住者だったからこそ、移住を希望される方の味方でありたいと考えています。常に移住を希望される方に寄り添い、自治体や地域との架け橋となれるよう取り組んでいます。

小島さん:生活を変える移住は人生の一大事ですから、仕事の責任も痛感しています。相談者の気持ちに寄り添って聞く姿勢に徹するように心がけています。話すことで心の整理がつくことも多いので、相談者の立場に立ち地元民代表として一緒に移住を考えていきたいですね。神奈川県の良いところをアピールしたいと思います。

-最後に、神奈川県への移住に興味がある方へのメッセージをお願いします。

栁沢さん:神奈川県であれば、まずは最初のステップとして「ちょこっと田舎」の暮らしをすることもできますし、さらに踏み込めば、近所のおばちゃんが「最近見かけないけど、元気にしてるの?」と野菜を持って訪ねて来てくれるような、そんなお付き合いができる田舎もあります。海が近い三浦半島、湘南地域、歴史ある小田原周辺はもちろん、山がお好きなら足柄や丹沢など、日常生活を取り巻く環境も充実しています。そして発達した交通網で都心へすぐ出ることもできます。さまざまな「田舎暮らし」を実現できる環境だと思います。

移住する、というのは少なからずその人にとって人生の岐路となる選択です。そこに関わらせていただくからこそ、移住生活経験者として必要なサポートや相談には全力で対応しています。

小島さん:神奈川県には美味しい特産物も多いのでグルメな方にもおすすめです。食べ物や自然など何でも良いので、神奈川県に興味を持っていただけたらうれしいです。都内からも気軽に来ることができる距離に「ちょこっと田舎」の暮らしがあります。ぜひお越しください。

ちょこっと田舎・かながわライフ支援センター 相談員

栁沢・小島

プロフィール

栁沢:伊豆諸島の新島にて15年間の移住生活を経験。島ではフリーランスでアート関係・環境保全活動・都立高校の非常勤講師・介護予防事業・漁師の手伝い・島おこし等々マルチインカムな生活スタイル。20年以上使われていなかった店舗を借りてアトリエにしたり、石造りの古民家を借りて住んだりとセルフリノベーションも経験。こんな私だからこそ伝えられる事があると2016年4月「ちょこっと田舎・かながわライフ支援センター」相談員に着任。

小島:ふるさと回帰支援センター内での事務アシスタントを経て、「地元神奈川県のことをもっと知りたい、魅力を伝えたい」と思い、2020年4月よりかながわ暮らしのコーディネーターに着任。
健康面も気になりますが、おいしいものに貪欲なところは変えられません。

相談員から一言

栁沢:ローカル線の車窓にはのどかな田園風景が広がり、無人駅を降りると見えてくる商店街はまさに昭和の風景。そんな田舎が神奈川にも在ります。
また環境省が選定した日本の名水100選、その中でもおいしい水部門第1位はなんと神奈川県の秦野市に在る湧水郡。水がおいしいというのは豊かな自然の象徴ですし、県内各地に今でもホタルが見られる地域が残されています。そんな水で育てられた野菜やお酒は美味しい上に安心で安全に決まってます。
神奈川県は交通網が発達していて生活の利便性も高いのに車で10分も走ると海や山という地域が殆どですからまさに『ちょこっと田舎』なわけです
大都会から田舎まで見事に揃った神奈川県ですから、移住先としては好きな地域を選びたい放題です。

小島:海、山、川、温泉もある神奈川県。横浜・川崎の都会な面と、歴史のある街、鎌倉、小田原。真冬でもサーファーたちが自転車で海に向かう藤沢・茅ヶ崎・葉山。スイカや野菜の直売所が道路沿いにたくさんある三浦。海老名、平塚の苺、伊勢原の梨など神奈川にはまだまだおいしいものがたくさんあります。ちょこっと田舎のかながわの魅力をお伝えしながら、移住へのお手伝いができればと思います。