移住相談員紹介

「福が満開、福しま暮らし情報センター」相談員 越路さん・新妻さん・佐藤さんインタビュー

福島の自然と人に囲まれて、地に足をつけて自分のペースでチャレンジできる

「福が満開、福しま暮らし情報センター」相談員の新妻さんは浜通りの富岡町出身。大学進学と同時に上京し、その後都内で就職。佐藤さんは同じ浜通りの南相馬市出身で、大手百貨店に勤務し2019年11月から相談業務を行っている。長くメーカーに勤務し海外生活も経験した越路さんは、故郷・福島への深い思いを胸に2021年夏から相談員に就いた。
新妻さん、佐藤さん、越路さんに相談員になった経緯や日々の相談内容、離れて気づいた福島の魅力についてお話を伺った。

越路さんインタビュー(2021年着任)

-相談員になられた経緯を教えてください。

やはり新型コロナウイルスの流行がきっかけです。感染拡大の厳しい状態が続いて、首都圏から気軽に福島に帰れなくなってしまった。故郷がすごく遠くに感じてしまう。そうすると、心の奥底にある郷愁がつのるわけです。ちょうど長年勤務したメーカーを退職するタイミングになって、何か故郷の役に立つ仕事がしたい、そうすればつながっていることができると考えました。

越路さん

-相談業務を始めて実感したことはありますか。

私は半導体にかかわる仕事をしていたのですが、エンジニアリングの世界では、物事が必ず白黒つくわけで、グレーが存在しない。でも、今、やっている移住相談では、正解はひとつではなく、相談にいらっしゃる方の数だけ、あるいはそれ以上の真実があります。エンジニアリングと移住相談はかなり違っていて、戸惑いを感じていますが、同時にやりがいもあることだと感じています。

-福島の魅力を教えてください。

単に面積が広い(北海道、岩手に次いで全国3位)だけでなく、変化に富んでいる点が楽しいです。東から浜通り、中通り、会津地方と三つに分けられますが、気候、風土あるいは言葉もかなり違っています。会津では大雪が降っていても、海の近い相馬では快晴とか日常茶飯事です。だから、移住するにしてもいろいろなチョイスがあるとご案内することができます。

豊かな自然は、海があって山があって湖があってとバラエティがすばらしい。小さい頃は猪苗代湖の志田浜や舟津でよく泳ぎましたが、「湖水浴」というと東京の方は驚かれますね。個人的にはやはり食べ物ですね。水がいいので何でも美味しい。山菜は買うのではなく、もらうかとってくるものです。わらびやタラの芽の天ぷら。ああ、話していて食べたくなってきました。

住んでみると「人の良さ」を実感することができます。最初は少し距離感がありますが、壁がなくなってくると本当にあたたかいです。かまってくれすぎるので、少しお節介かなと思われるかもしれませんけど(笑)。

-どんな方が移住相談に来られますか。

これは本当にいろいろです。元々、福島に縁のある人もいますし、いわゆる「Iターン」も多い。良く話を聞くと学生時代に旅行で福島に行って印象に残ってとか。新型コロナの流行以降は20代の人が増えている感じがします。国や県による移住促進のバックアップ体制がしっかりしている点も、相談にいらっしゃる方の動機づけになっていると思います。

東日本大震災からの復興のため、浜通りの市町村は国が後ろ盾となって移住に力を入れています。

-相談にあたって心掛けていることは何ですか。

私たち相談員は多くの情報を提供することはできますが、最終的に判断されるのはいらっしゃった方です。それを忘れないようにしています。あとは「人のネットワーク」を生かすようにしています。私たち相談員だけで完結するのではなく、県などともつながっています。福島県を七つのエリア(※)に分けて、それぞれに配置されている移住コーディネーターを紹介することができます。ネットにも載っていない現地の情報が得られると思います。
(※)七つのエリア…浜通り(相双、いわき)、中通り(県北、県中、県南)会津(会津、南会津)

-移住生活を成功させるにはどんなことが必要だと思いますか。

移住して何をしたいのか、どんな生活を送りたいのかがある程度はっきりしていることが大事ではないでしょうか。もちろん、スタートは都会暮らしに疲れたとか、何となくでもかまいません。そこからビジョンを膨らませて、具体的な準備を進めていってほしいし、そのお手伝いができればうれしいです。

福島では都会の暮らしがそのまま成立しない部分があることは理解しておいてほしいです。例えば会津は雪が多いので、やはり年配の方の独り暮らしだと厳しいかもしれません。電車に乗れば、すぐにどこにでも行けるというわけではない。車社会となっている現実があります。実際に相談にいらっしゃった方で、ウェブ系のお仕事をされているので、希望の場所ではネット環境があまり良くないので難しいのではというケースもありました。

-便利さが全てではないと考える人が増えているように感じますね。

そうですね。やはり新型コロナでしょうか。今までの都会生活で当たり前だった利便性が、一時期、突然のようになくなってしまった。だれだって仕事のこと、生活のこと、これからの生き方のことをいろいろ考えますよね。実はコロナによってすごく負荷がかかった公務員や教職の方々からの移住相談も結構あります。
わたしにとっての福島のイメージは会津地方の郷土玩具「赤べこ」なんです。黒い斑点は「痘」で、魔除けの意味を持った人形です。コロナで大変な時代ですが、赤べこにこめられた福島の人の思いを感じてほしいです。

(※このインタビューは2021年12月に行なったものです)

新妻さん・佐藤さんインタビュー(2018年、2019年着任)

-相談員になられたきっかけについてお聞かせください。

新妻さん:私は、高校生まで富岡町で暮らしていました。大学進学と同時に上京して就職。就職後は慌ただしい毎日を送っていたので、地元にはお盆とお正月の時期に帰省する程度でした。真夏でも水道水は冷たくておいしかったですし、浜通りの気候は夏は涼しく冬はそこまで冷え込まない中でもちゃんと四季は感じられるので、季節の変わり目になると故郷を思い出します。

きっかけは東日本大震災でした。当時、富岡町の実家は福島第一原発事故により避難を余儀なくされる状況。家族の引越しや新しいことを始める地元の同級生など、周囲がどんどん変わっていく中で、東京で目まぐるしく働いているだけで何も変わらない、何もできない自分に何か気持ちが引っかかっていました。私が転職を決め、福島県相談員の仕事を知り「このタイミングで福島に関わることができる仕事があるならやってみたい!」と思い応募しました。これまで一番長く従事した仕事も高校生の進路に携わり、人生のターニングポイントに寄り添うものでした。移住相談も人生におけるターニングポイントに携わるという共通点がありましたので、応募に迷いはなかったですね。

新妻さん

佐藤さん:私は実家が南相馬市にあり、現在も両親が住んでいます。高校までは実家でしたが、大学進学で群馬県高崎市に移り、卒業後、東京の百貨店に就職し36年間勤務しました。前の会社は転勤が多く、在職中は札幌、宇都宮、船橋、横浜、大阪、神戸に住んだ経験があります。その中で、初めての土地で観光的な要素以外の魅力を発見したり、多くの方と知り合えたりすることが大好きな自分に気が付いたんです。

また、移住相談員の仕事は、相談にいらっしゃる方の様々な疑問や悩みを親身になって一緒に考え、福島県の市町村のファンを作るという点で百貨店の仕事とすごく共通点があると思っています。
福島県の移住相談員募集は偶然知ったのですが、これまでの経験を活かし、故郷の福島県とつながりを持てるので「面白い。ぜひやりたい」と思いました。

-福島では、どんなことをして過ごしていたのですか?

新妻さん:高校時代は憧れだった電車通学でしたが、1時間に1本あるかないかの運行本数。時刻表を記憶していてわざと1~2本遅らせておしゃべりしながら海まで歩くこともありました。また、隣町に住む祖父母と一緒に、春になれば山菜を採りに行ったり、夏になると玄関先の階段に腰かけて風に揺れる田んぼを見ながらカキ氷を食べたり、秋になれば祖母が田んぼで捕まえたイナゴの佃煮を食べたり。そんな他愛ない時間が楽しかったですね。

福島市内の風景

-どのような相談者が多いですか?

新妻さん:移住相談に来られる方の7割がIターン希望の方で、20~40代の若い方が増えています。震災から時間が経った今でもなお、何か自分にできることはないかと、福島を目指す方、観光で福島に行ったことがあり、すごくいいイメージを持っているので移住したいという方、知人や友人が福島県に住んでおり、福島には良い人が多いから福島に行きたいといってくださる方もいらっしゃいます。地理的に北関東に近く、東北の入り口ですし、首都圏に出やすく自然が豊かなので福島を選ばれる方も多いです。

また、最近ですと早期退職を見据えてとか、定年退職後に移住を考えたいという50代の方の相談も多いですね。福島県はエリアによって気候も風土も文化も歴史も全く違いますので、どんな暮らしをしたいのかを想像していただきながら、慎重に話を詰めていくように心がけています。仕事に関する質問も増えていますので、相談者さんのご希望やご経験を踏まえ、関係各所からいただく現地の求人の紹介を受けながら情報を提供しています。

佐藤さん:年齢層は幅広く20代30代のUターンの相談者も多い印象ですね。奥様やご家族、故郷のご両親のことを考えて移住を検討している方もいらっしゃいます。浜通り、中通り、会津地方で気候や文化が大きく違うので移住地域を絞って相談に訪れる傾向が強いことも特徴です。

-相談業務で心がけていることはありますか?

佐藤さん:百貨店に勤めていた時はその場でお客様に何らかの答えを出さないといけなかったのですが、現在の相談業務では必ずしもそれが当てはまるわけではありません。とにかく相談にいらっしゃる方のお話を聴いて、時間をかけて一緒に考えることが重要だと感じています。

田舎暮らしイコール必ずしも“バラ色”ではありませんので、デメリットも必ずお伝えするように心がけています。例えば会津地方に移住を希望する場合には雪が好きかどうかも必ずお尋ねしますし、子育て環境を求めて移住する若いご夫婦には、20年後にお子さんが成長して、お二人がご高齢になられた際の暮らしも考えていただいています。

具体的には高齢になって車の運転ができなくなった時にどうするか、都会とは違う地域の皆さんとのコミュニケーションの大切さなど、移住後に想像していなかったことで困らないように、起こることが想定内にできるよう心掛けてお話ししています。

佐藤さん

-福島の魅力を教えてください。

新妻さん:首都圏と行き来しやすい地理的な面と、都会的な街でも自然との距離が近い点、歴史や文化が未だ色濃く残る環境がある点です。あとは人ですね。口下手であまり前に出ない性格の人が多いですが、実は熱い思いを持っている人が福島には多いです。表には出しませんが、こっそりスゴイことを成し遂げているんです。あと、世話焼きの人が多いので、「構わないでほしい」っていう方には向いていないかもしれません(笑)。移住したい人に対しては、一生懸命お世話をしようとしてくれる人が多くいるので、相談者の方に紹介する時はとても心強いです。

-福島への移住を考えている方、悩んでいる方にメッセージをお願いします。

新妻さん:福島県では、2017年から県内7方部それぞれに移住コーディネーターを配置しています。移住コーディネーターは実際に地域に住んでいますので、市町村との連絡・連携はもちろん、地域とのつながりも広く、市町村の枠を超えて多くの情報を持っています。移住前に現地へ訪問する際には案内役になってくれたり、移住後も気にかけてくれたりしてくれる大変頼りになる存在です。さらに首都圏では移住推進員が中心となり、都内でも毎週のようにイベントを開催していますので、現地の情報を都内で気軽に得ることができます。まずは移住いいなあ…、気になるなあ…、と漠然とした感じで大丈夫です。気軽に相談に来ていただき、情報収集から一歩一歩始めていただければと思います。

佐藤さん:福島県は、浜通り、中通り、会津地方と東西に広く、それぞれの地域によって気候や歴史、暮らし、文化も様々。私が育った浜通りは海に面していて比較的気候が温暖、中通りは福島市や郡山市など都市部が形成され、会津地方は降雪量が多く観光スポットが点在しています。福島県は自然豊かで魅力ある暮らしが期待できますが、移住はじっくりと時間をかけて検討することをおすすめしています。今の暮らしではなく本当にそこに行った方が幸せになれるのかを冷静になって考えること、家族できちんと話し合うことも大切だと思います。まずはお気軽に「福が満開、福しま暮らし情報センター」にお越しください。お待ちしています。

 

福が満開、福しま暮らし情報センター 相談員

越路・新妻・佐藤

プロフィール

越路(左):福島県郡山市出身。東京の大学に進学し、卒業後は東京の電機メーカーに就職。半導体関連の業界で仕事をし、2021年7月より「福が満開、福しま暮らし情報センター」移住相談員を務める。

新妻(中央):福島県富岡町出身。進学のために上京し、都内で就職。高校生の進路関連業界などを経て、2018年4月より相談員に着任。好きな食べ物は、母親お手製の「いかにんじん」とお煮しめ。

佐藤(右):高校卒業まで福島県南相馬市(旧原町市)で過ごす。大学卒業後、大手百貨店に入社し、企画・宣伝・広報業務を中心に36年間勤務。2019年11月より移住相談員に着任。

相談員から一言

越路(左):福島県の面積は全国で3番目で、適度な都市部と豊かな自然が魅力です。地域の特色ある食べ物もたくさんあり、喜多方ラーメンは全国的にも人気です。桃やブドウ、梨などの果物もおいしいですよ。また、薄皮饅頭やゆべしなど銘菓も多数あるので、ぜひ一度食べていただきたいです。ご希望に応じて色々なライフスタイルが考えられる地域なので、ご興味があればぜひ気軽に福しま暮らし情報センターにお越しください。

新妻(中央):福島県は奥羽山脈と阿武隈高地の山並みを境に、会津地方・中通り・浜通りの3つエリアに分かれています。その地形から、それぞれが気候も歴史も暮らしも異なる大きな県です。雪、里、山、海…など、ご自身に合った理想とする暮らしがどこかできっと適えられると思います。福島の人は粘り強く親身で心根は熱いです。そんな福島が気になった方は一度センターへお越しください!

佐藤(右):今まで日本中いろいろな場所で暮らしましたが、どこも素晴らしいところばかりでした。そんな中でもふるさと福島は四季の移り変わりがとてもはっきりしているところだと思います。山々の景色・鳥たちの声・満天の星空・果物の豊富さ・旬の魚・空気の匂いなど、四季の変化を感じるものが盛沢山です。ぜひ福島に来てご自身で福島の魅力に触れてください。