移住相談員紹介

「やまなし暮らし支援センター」移住専門相談員 倉田さん・山本さんインタビュー

都心部に近い山梨だからこそ「手が届く」理想の暮らしがある

キャリアと人生経験を積んできた今だからこそ、生まれ育った山梨のためにお役に立てることもあるのでは、という思いで相談員を始めた倉田さん。コンピューターの技術者など数々の仕事に携わり、北杜市で芸術文化の仕事にも携わって相談員になった山本さん。経験豊富なお二人に、山梨の魅力や普段の相談業務について話を伺いました。

キャリアを活かすことができる相談員の仕事

-やまなし暮らし支援センターで働き始めたきっかけは何でしょうか?

倉田さん:出身は山梨県甲斐市で、大学進学と同時に東京に移り住みました。その後、航空会社に就職し、CAとして世界を飛び回っていましたが、“いつでも帰れる”という安心感があり、山梨へ帰省することはあまりありませんでした。
今から4、5年前のことですが、航空会社等で様々な仕事を経験し、ある程度の年齢を重ねたタイミングだったからこそ、故郷のために何かお役に立てる仕事ができないだろうかと考えるようになりました。おそらく、CA時代に世界から日本を見る習慣が付いて、上京するまで過ごした山梨県の魅力に客観的に気づくことができたのだと思います。
山梨県の人口減少に対する危惧もありました。10年前に訪れた街道沿いの宿場町にはまだ多くの人が行き交っていたのに、次に訪れた数年前には閑散としていて。そんな現状を目の当たりにし、キャリアを活かしながら、残りの半生を自分の故郷のために使いたいと考えたのです。

山本さん:コンサルタントの仕事経験は初めてだったのですが、誰かと誰か、何かと誰かの仲立ちをし、付加価値を生産する仕事を今まで数多く行ってきました。私のそのような人生経験が、相談業務を行う上でも十二分に活用できるのではと考え、是非やってみたい!と思いました。現在は先輩相談員の倉田をサポートしつつ、毎日勉強です。初めてお会いする相談者の方と、自分の言葉で約1時間お話をしてアドバイスをするというのはとても大変なこと。移住はその方の人生の中で大変重要なきっかけですので、責任のある重要な仕事だと日々痛感しています。

ここでしか入手できない“生きた情報”がある

-相談にはどのような方がいらっしゃるのでしょうか?

倉田さん:私が相談員の仕事を始めた3~4年前は、経済的な余裕のある年配の方々が別荘を購入し、悠々自適なセカンドライフを送りたいというご相談がほとんどでした。今ではそれもガラッと変わりました。近年は、いわゆる子育て世代のファミリーからご相談いただくことが多くなり、移住という選択肢を自分の人生の中に積極的に組み込もうと考える方が非常に増えてきているように感じています。山梨がちょうどいいのは、東京から近いため、これまで築いてきた友人、知人のコミュニティから遠く離れることなく生活をチェンジできる点にあります。あるいは東京の仕事を変えることなく、山梨から通勤するという方もいらっしゃいます。このような様々な選択肢があるという点も人気の理由のひとつだと思っています。

今はインターネット上に情報が溢れていますが、そこから自分が必要とする部分だけを抽出するのは非常に難しいと思うのです。ここには、実際に山梨に住んでいる方々から寄せられたリアルな情報が集まっていますから、ご相談にいらっしゃる方の思いにぴったりな情報をお届けできるのは間違いありません。

移住者も地域も幸せになるマッチングを

-これまでの相談者、移住者の方で、印象に残っている方は?

倉田さん:ある40代のご夫婦が相談にいらしたのですが、観光で訪れた韮崎(にらさき)市にある新府エリアの景観の美しさに感銘を受け、ここで桃の栽培をやりたいと、非常に具体的かつピンポイントな要望をお持ちでした。しばらくして韮崎市の移住セミナーが開催されたとき、ちょうど韮崎で桃栽培を営んでいる議員さんと知り合い、これは!とピンときて、すぐにその議員さんに、桃の栽培をやりたいと考えているご夫婦がいると相談しました。その議員さんはとても協力的な方で、相談者のご夫婦にも議員さんのことをお伝えしたら、非常に喜んでくれました。このような情報は、相談者個人ではなかなか得ることはできませんし、インターネットから簡単に拾えるものではありません。
相談者はもちろん、移住者を迎える地域の人たちにとっても要となる存在になりたいですね。どちらの側の方からも、“ここに相談すれば何とかなる”と思ってもらえるような場でありたいと思いますし、そうなることで、よりきめ細やかな情報がやまなし暮らし支援センターに集まり、精度の高い情報を提供できるのではないかと思います。

 

山本さん:一人一人重みのあるお話ばかりで、みなさん印象深いですね。皆さんここでいろんなストーリーを吐露していかれますので、思わず引き込まれてしまうこともあります。私たち相談員と相談者が、あたかも何処かへ向けて走る一緒の列車に乗り、四人掛けのシートに座り会話をする…。ある人は途中下車をして、ある人は違う方向行きの列車に乗り換える…。劇場で演劇を鑑賞したり、映画館で映画を鑑賞したりしてるような時間とも言えます。相談者の方々がここにいらっしゃった時よりも良い気分で帰っていただくというのが、私たちの目指すところではないでしょうか。

-相談者とのコミュニケーションを図るうえでお二人がこころがけているのは、どのようなことでしょう?

倉田さん:実際に山梨に移住したときに、自立した生活ができるかどうか、そこはしっかり見極めるようにしています。安易に背中を押すようなことはしません。その方だけではなく、お子さんの人生もかかっていますから、無責任な話をしたくはないのです。相談者には幸せな暮らしを送っていただきたいですし、山梨の地元の方には「良い人が来てよかった」と思ってほしい。お互いが幸せになれるよう配慮しながら対応しています。

山本さん:移住だけでも実に多様な相談があります。アポイントなしでふらっと立ち寄る方も多いですね。今は情報だけならインターネットなどいろんなところで集めることができますが、ここに相談に訪れるということはそれだけでは分からないことがあるからだと思います。相談には約1時間かけて相談者の全体像や背景にあるものを見つけ、その方の人生のダイジェストをお聞きするように心がけています。まず資料を広げるなど決まったスタイルで説明をすることは殆どなく、移住相談に至るまでの話を心置きなく語っていただくように心がけています。なので、話が全く違う方向に向かうこともあります(笑)。人生相談に近い感覚ですね。
山梨は東京からも近いですし、それでいて異郷感もあるから人気のエリアです。他地域に比べて気軽さを感じて移住先にノミネートされがちなのも事実ですから、移住しない方が良いという判断や山梨ではなく別な場所の方も検討してみては?など、こちらできちんとフィルターをかけるのも重要だと考えています。近年の移住ブームで流行りに乗って訪れる方も多く、テレビや雑誌の情報や助成や補助金の金額で判断する方も多いのは事実です。山梨のブースには、私と、熟達の聞き手の倉田がおりますので、相談のバリエーションが豊富。自分の目で見て、聞いて判断できるようご相談者を導いていきたいと思います。

地域コミュニティにもすぐに溶け込める文化がある

-山梨移住の魅力を教えてください。

倉田さん:新宿駅から電車に乗り、缶ビール一本飲み終えるころに到着するという距離感で、ぐるっと見渡せば山に囲まれているような環境に身を置くことができる。これは最大の魅力といえるのではないでしょうか。水は非常においしく綺麗で安全。人間の体の3分の2が水分で構成されていることを考えれば、毎日飲む水はもちろん、きれいな水でお風呂に入ったり顔を洗ったりすることは、首都圏で水を買う生活からは比べものにならないほど素敵なことです。
山梨には地域の方々、それこそ若い人からお年寄りまでが月に一回、夜に集う“無尽”という文化があります。昔は地域互助の機能を担っていましたが、最近は単純に地域のみんなで集まって一緒に飲んだり、食事を楽しむようなイベントになりました。これによって、地域の居酒屋は活気づきますし、お年寄りもおしゃれして出かける楽しみがあるから、みな元気なんですよね。山梨県が健康長寿日本一の県といわれるようになっている一因だと思います。この“無尽”には、移住者の方も参加しています。「こんにちは」と挨拶できる人なら、地域の方々も優しく受け入れてくれるので、むしろすぐに溶け込めると思いますよ。

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-最後に移住を考えている方、悩んでいる方にメッセージをお願いします。

倉田さん:悩んでいないで、やまなし暮らし支援センターにお話をしにいらっしゃるのが一番だと思います。ここにお越しになり話をすれば、きっと自分の道筋が見えてきます。その一歩を踏み出すための情報を提供できると思いますので、ぜひお気軽にお越しください。

山本さん:山梨は首都圏からも近く便利。水や空気など、取り囲む日本屈指の高山から派生する全てのものが魅力的な個性ある県です。相談者と山梨との出会いが、それからの人生をより良い方向に導くきっかけになれば良いなあと思います。
山梨は素晴らしい所ですが、移住には相性があります。テレビや雑誌で扱われる内容を鵜呑みにはしないで、是非現地へ足を運んでみて欲しいです。最終的には、ご自身が実感をして判断されることが肝要だと思います。

やまなし暮らし支援センター 移住専門相談員

倉田・山本

プロフィール

倉田:地元高校卒業後、国際線乗務を夢見て大学進学のため上京。世界から日本を、そして山梨を見たことにより、地元にいた頃には気付かなかった「故郷の魅力」を発見した。そんな素晴らし故郷山梨の為に最後の仕事を選択。2013年6月「やまなし暮らし支援センター」オープン時より現職。私生活ではダンスを愛好、仕事後もジムに通い汗を流している。3人の子育てを終了、2人の孫育てにも手出し口出し。人生経験豊富な最年長相談員。

山本:開港したばかりの成田空港の輸入通関業務を手始めに、未だ創生期にあったコンピューターの世界に入り、IBMオフコンのソフト技術者として15年。しかしある日突然芸術関連の仕事へ転身を果たし、二つの財団法人で芸術文化普及活動を計15年。それから10年、北杜市を中心とした芸術文化の仕事など数多くの仕事を行ってから<なぜか>当業務につく。

相談員から一言

倉田:東京都高尾から西向すると、緑滴る山中に入る。やがて窓外には湖水や河川が展開。そして笹子峠を超え目の前に広がるは、南アルプス連峰を背景に甲府盆地を俯瞰する眺望。それは思わず感嘆したくなる壮大な景観だ。リビングからは富士、北を見れば八ヶ岳。周りを山々に囲まれ新宿から1時間半でまるで別世界。ぶどうにワイン、桃にさくらんぼ。水の美味しさは天下一品。日帰り温泉だけでも遊びつくせない。そんな「やまなし暮らし」いかがです?

山本:数多い転職や引越しなどテント暮らしのような振り幅の広い人生なので、ある意味当センターのレジェンド相談員でもある倉田を支えつつも、相談に訪れた方を違った角度から見、私なりの感性によって紡がれる表現で<移住の迷いビト>の心をゆっくり解きほぐしてしてゆきたいと思います。どこかに向けて走る急行列車の四人掛けの自由席にたまたま乗り合わせたような雰囲気の「やまなし暮らし支援センター」であってもいいのではないでしょうか。