移住相談員紹介

「信州に暮らす。楽園信州移住相談センター」相談員 三澤さん・高須さんインタビュー

個性豊かな77市町村で、自分が描く人生の楽園を見つけてほしい。

「信州に暮らす。楽園信州移住相談センター」相談員の三澤さん、高須さんは、共に長野県生まれ。さまざまなキャリアを重ねた二人が伝えたい信州の魅力や日ごろの活動の様子、移住の状況について伺った。

一度離れたことで、強くなった故郷への想い

-まずはお二人の長野との関わりについて教えてください。

三澤さん:私は南信(信州の南部)に位置する辰野(たつの)町生まれで、小さいころは田畑や山を駆け回って遊んでいました。その後、父の転勤で長野市に。今は10数年都内に住んでいます。自分では、故郷を思う気持ちはクールな方だと思っていましたが、この仕事をしながら、意外に熱い長野県愛があることに気がつきました。つくづく自分は、長野県民だと思います。
高須さん:私は諏訪(すわ)市出身で大学進学を機に上京し、以降ずっと東京に住んでいます。母や弟家族は諏訪にいるので、用事がある度に諏訪に帰ります。特に地元で行われる7年に1度の「御柱祭(おんばしらさい)」の年になると、うずうずして、家族にあきれられるほど燃えてきます(笑)。高校生の頃は東京に出たくてたまらなかったのですが、年を重ねるごとに故郷の良さを実感しますね。

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-「信州に暮らす。楽園信州移住相談センター」で働き始めたきっかけは何でしょうか?

高須さん:企業の広報や広告宣伝に携わってきました。帰省するたびに百貨店や駅ビルがなくなっていく故郷をみて、何か私ができることはないかと考えるようになりました。そんなときにこの仕事を見つけ、これからは不特定多数の人に“もの”を宣伝するのではなく、一人ひとりに長野県の魅力を伝えていきたいと思いました。2016年9月に着任しましたが、この仕事は相談に来た方が移住されたら終わりでなく、その後も移住者の方と関わることができるのが嬉しいですね。
三澤さん:非営利な活動をすることとローカルな生き方に関心があり、東京でできる何かを模索していたときに移住相談員という仕事に出会いました。東京にいながら地方に携わることができる数少ない活動だと思います。長野県を元気にしたいという皆さんと長野県で暮らしてみたいという皆さんの橋渡し、橋作りにやりがい感じています。

大気中に光が充満する美しい時間 信州でこそ磨かれる感性

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-お二人が相談員として長野に触れる中で、気になった物事や場所はありますか?

三澤さん:2016年に話題になった映画『君の名は。』の新海監督は東信の小海(こうみ)町出身ですが、あるインタビューの中で、「地元は山に囲まれているから昼でも夜でもない時間が長い。 たそがれ時は、直接光が当たっていないのに大気中に光が充満している。大気が光っている」と話していました。山に囲まれた信州では、こうした光がなんともいえず美しい時間があるんです。豊かな環境で過ごすことで、知らぬ間に感性が磨かれていくんでしょうね。
高須さん:東京だとレジャーなど何かしようと思ったら、わざわざどこかへ行かなければなりませんが、長野だと近場でできるのが魅力です。車でちょっと出かけたらアウトドアフィールドの宝庫ですから。諏訪に住む弟に電話すると「これからスキーに行く」とか、「甥はツーリングに出かけた」とか、自分自身をリフレッシュできる場所が近くにあるのが羨ましいです。

-長野ならではの思い出や風習、習慣などを教えてください。

高須さん:スキーやスケートの授業がありましたね。みんなが自分のスケート靴を持っていて、スケート運動会をしたこともあります。パン食い競争なんて最高に楽しかったですよ。また、信州は温泉の宝庫で、駅のホームの温泉、秘境と呼ばれる温泉など、個性豊かです。そうそう、長野県民は「信濃の国」という県の歌をほとんどすべての県民が歌えるんです。県内の代表的な地名が歌詞に入っているのですが、カラオケにも曲目があるので県外の人はびっくりするかもしれませんね。
三澤さん:学校行事として小・中学生は2000~3000m級の山に登ります。登山が近づくと重りとしてペットボトルの水を入れたリュックを背負って通学して練習するんです。そのほか、長野県では成人式を5月のゴールデンウィークや8月のお盆休みのころに行うところがあるんです。宮田(みやだ)村では成人式の式典のあと中学校の給食を同級生達と食べるんですよ。地産地消の給食を二十歳になって改めて味わってほしいという村からのプレゼント。この成人式、村の若い人たちに結構人気なんです。地元愛も育まれますよね。

アクセスのよさと趣味を満喫できるライフスタイル

-「信州に暮らす。楽園信州移住相談センター」を訪れるのはどんな方が多いですか?

三澤さん:長野への移住希望者は、やはり自然を求めていらっしゃいます。子どもを自然豊かな場所で育てたいという方や、山登り・ウィンタースポーツが趣味、とにかく空気のいいところで暮らしたいという方ですね。山登りが趣味の方はどの山が見えるかで住みたい地域を絞っていく方もいます。

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高須さん:すぐ山に登れる環境はもちろん、毎日山を眺めることができるのがいいですよね。また、首都圏からのアクセスの良さを上げられる方も少なくありません。北陸新幹線や中央線、また意外に知られていないのですが、首都圏からの高速バスの運行がある地域がたくさんあります。おいしい水や採れたての野菜、くだものが豊富なのも魅力ですよね。毎日空気が美味しいと感じることなんて都会ではありえなかったと話す移住者の方もいます。
三澤さん:就職については、企業に勤めたい方と起業や就農をしたい方が半々くらいの割合で相談がありますね。長野県は日本の製造業を支えるものづくり地域で、インバウンドブームにのっている観光業も好調です。就職に関しては、インターネットのにはない求人情報を地元の人が教えてくれて仕事を始めましたという話をよく聞きます。そういった人間関係を作ったりご近所づきあいを大切にすることも田舎暮らしではとても重要ですね。農業は様々な種類の野菜や果物、花、それに米、酪農などなんでもできます。就農希望の方の多くが「やってみたいけど、どうしよう」という明確に決まっていない段階でいらっしゃるので、まず何を作りたいかを聞いて地域選びなどのサポートをしています。

-移住希望者との相談の中で気をつけている点はありますか?

高須さん:夏でも過ごしやすいことや、気持ちのよい環境面ばかりを見ている方が多いので、冬の寒さや都会との生活面での違いをきちんと伝えること、地域の方との関わり方などをお伝えしています。そして必ず長野の冬を体験することをおすすめしますね。冬の暮らしを不安に思う方もいますが、私をはじめ長野の人は元気に暮らしていますので安心してください。

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三澤さん:冬に引っ越すと、新たに灯油ストーブやスタッドレスタイヤも買わないといけないので、移住して初めての冬は急に出費がかさむこともお伝えしています。住まいはまず賃貸、地域となじんで田舎暮らしに自信がついたら購入という二段階をおすすめすることもあります。住む地域については、その方のライフスタイルの希望ありきなので、考えがまとまっていなくても、どんな暮らしをしたいか、長野で何をしたいか、まず話してもらうことが大切だと感じています。

個性が生きる市町村と人間の根っこを育む教育がある

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-長野の魅力はどういったところでしょうか?

三澤さん:長野県には自治体が77市町村もあり、その数は日本で2番目に多いんです。隣り合った市町村でも山や川を隔てているので景色はもちろん、文化、習慣が異なり、どこも個性的ですよ。改めて県全体を知る中で驚いたことも。阿智(あち)村の清内路(せいないじ)という地域には、住民が火薬から手作りする花火があるんです。300年余続く伝統の手作り花火は県の無形民俗文化財に指定されていて、秋祭りの奉納の打ち上げのときには地元の皆さんはもちろん、遠方からも見に訪れる方がいます。
高須さん:ほかにも、大鹿(おおしか)歌舞伎、湯立神楽を奉納する飯田市の霜月祭りなど無形文化財に指定されるようなお祭りや伝統芸能がたくさん受け継がれていて、その地域の歴史や風土が感じられるのがいいですね。諏訪地方の御柱祭りは、命がけの祭りですが、住民の結束は強くなるんです。移住した方もこのお祭りに参加したことで地域に溶け込めたと話されていました。

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三澤さん:保育や教育に大自然を積極的に取り入れている園などを、県が信州型自然保育(信州やまほいく)として認定する制度を立ち上げました。子どもたちが畑で育てた野菜を給食に使ったり、絵本の読み聞かせも風の音が聞こえる森で行ったり、雨でも雪でもお構いなしに屋外で遊んだり。保護者も園の運営に関わりながら、人間の根っこ、感性を育む子育てを実践しています。そういった信州やまほいく認定園の情報をお話することは多いですよ。
高須さん:私は、教育環境は大都市の方が恵まれていると考えていましたが、実は地方でも多様性に満ちていて、豊かなんじゃないかと思うようになりました。例えば、大町市には、学校と地域住民・保護者が一体となって小中一貫のコミュニティ・スクールを実施している地域があります。低学年から国際感覚を養い、5、6年生は皆で米国へ課外研修に行くのが楽しみだそう。また、伊那市の市立伊那小学校は60年前から通知表のない公立小学校として知られています。そういった大らかな環境で子どもを育てたいと移住するファミリーもいます。

-最後に、長野への移住を考えている方にメッセージをお願いします。

三澤さん、高須さん:移住というのは、一度立ち止まって自分の生き方を見つめなおす絶好の機会だと思います。自分はどんな生活をしたいのか、本当は何を大切にしたいか、どんなことに魅力を感じるかなど、他の人の意見ではなく、自分自身に問いかけてみてはどうでしょう。そして、自分の中の優先順位がはっきりしたら、いいなと思う地域を訪れたり、移住した先輩の体験談に耳を傾けたりしてみてください。きっと自分の移住イメージがはっきりしてくるのではないかと思います。お気軽に相談にいらしてくださいね。

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信州に暮らす。楽園信州移住相談センター 相談員

三澤・高須

プロフィール

三澤:ほたるの里・辰野町に生まれ、県庁所在地・長野市在住を経て都内の大学に進学、就職。番組制作に従事したのち復興支援活動、青少年の健全育成NPO活動に携わり、2015年より楽園信州移住相談センターの相談員。最近は登山好きの相談者の皆さんに感化され、信州の山デビューを画策中。

高須:高校卒業まで諏訪市で暮らす。大学進学のために上京し、以来○十年東京在住。メーカー、流通小売業界、出版社を経て、2016年9月より「ふるさと回帰支援センター」内の「信州に暮らす。楽園信州移住相談センター」にて相談員をつとめる。お祭りと美味しいものが大好き。

相談員から一言

三澤・高須:溢れる自然は長野県の最大の魅力。美しく雄大な景色、きれいな空気やおいしく安全な水は長野県の魅力であり、長野県でなら必ず手に入るものでもあります。自然以外の魅力、温かい受け入れをあなたに的確にアピールいたします。77もの市町村がある長野県、村だけで35もあり個性豊かな地域。あなたにぴったりの地域を、縁とひらめきを大切にしておつなぎしています。