移住相談員紹介

「福が満開、福しま暮らし情報センター」相談員 大宮さん・新妻さんインタビュー

福島の自然と人に囲まれて、地に足をつけて自分のペースでチャレンジできる

「福が満開、福しま暮らし情報センター」相談員の大宮さんは、福島県福島市出身。アメリカの大学に留学した後、一度地元で働いてから上京した。一方、新妻さんは浜通りの富岡町出身。大学進学と同時に上京し、その後都内で就職。大宮さんと新妻さんが相談員になった経緯や日々の相談内容、離れて気づいた福島の魅力についてお話を伺った。

留学経験もある自分だからこそ、外からの視点で地元に貢献したい

-まずは大宮さんと新妻さんの福島の関わりについて教えてください。

大宮さん:福島県福島市出身です。高校卒業までと、アメリカの大学を卒業してから上京するまでの数年間を地元で過ごしました。大学があったフロリダ州は、3月くらいから泳げるような温暖な気候でしたが、山に囲まれ四季がはっきりしている地域で育った身としては山と雪が恋しくなりました。

▲福島市内のお気に入りの散歩道

新妻さん:私は富岡町出身で高校生の時まで暮らしていました。大学進学と同時に上京して就職。就職後は慌ただしい日々を過ごしていたので、地元にはお盆とお正月の時期に帰省する程度でした。真夏でも水道水は冷たくておいしかったですし、浜通りの気候は夏は涼しく冬はそこまで冷え込まない中でもちゃんと四季は感じられるので、季節の変わり目になると故郷を思い出します。

-「ふくしまふるさと暮らし情報センター」で働き始めたきっかけは何でしょうか?

大宮さん

大宮さん:東日本大震災が発生し、地元のために何かしなければ!という思いが強くなりました。福島の自然や食べ物、人の良さを改めて感じていたところだったので、特に原発事故では全てが失われてしまったというショックがありました。直後はボランティア等の活動をしていましたが、数年が経過しても完全に元に戻っていない福島を何とかしたいと思う気持ちが募り、このままでも何も変わらないと一度外に出ようと決心しました。その中で出会ったのが今のお仕事です。

新妻さん:大宮さんと同じく震災がきっかけでした。当時、富岡町の実家は福島第一原発事故により避難を余儀なくされる状況。家族の引越しや新しいことを始める地元の同級生など、どんどん変わっていく姿を見て、東京で目まぐるしく働いているだけで何も変わらない、何もできない自分に何か気持ちが引っかかっていました。その後転職をする中で、ある日福島県の相談員募集の求人を見て、「このタイミングで福島に関わることができる仕事があるならやってみたい!」と思い応募しました。一番長く従事した仕事が、18歳の高校生の進路決定という人生のターニングポイントに携わる仕事でした。移住も人生におけるターニングポイントに携わるという共通点がありましたので、応募に迷いはなかったですね。

プライベートでも福島に通って農業研修。実体験を伴う就農相談を目指して

-福島では、どんなことをして過ごしていたのですか?

大宮さん:山が好きだったので、休日には山登りをしたり、海、川、湖に遊びに行ったり。スキー場も近くにあるので、スノーボードにも通っていました。アウトドア好きにとっては、欲しいもの全てがそろう環境です。自分で何かを作ることも好きで、山からアケビの蔓とかを採ってきてカゴを作ったりしていました。仕事のことで悩んだ時は、お気に入りの日帰り温泉に行ってましたね。

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▲雪の下からキャベツを収穫

新妻さん:高校時代は憧れだった電車通学でしたが、1時間に1本あるかないかの運行数。時刻表を記憶していてわざと1~2本遅らせておしゃべりしながら海まで歩くこともありました。また、隣町に住む祖父母と一緒に、春になれば山菜を採りに行ったり、夏になると玄関先の階段に腰かけて風に揺れる田んぼを見ながらカキ氷を食べたり、秋になれば祖母が田んぼで捕まえたイナゴの佃煮を食べたり。そんな他愛ない時間が楽しかったですね。

-大宮さんは現在も福島にはよく戻っていらっしゃるのですか?

大宮さん:2016年は月に2回ほど、個人的に農業研修で福島県に通っていました。東京に来る以前から農業に興味はあったのですが、この仕事に就いて、農業体験や田舎体験ツアーに同行することもあり、農村と関わることが増えて、その楽しさに目覚めてしまいました。福島県には「福島県農業総合センター農業短期大学校」があり、初心者向けの3ヵ月のコースなどが無料で受講できるので、そこに通っていました。私自身も農業を学ぶことで、実際に体験したことをお話しできるようになり、就農希望の相談者の方に、少しでも現実味を感じてもらえれば嬉しいですね。

福島を想う人たちがつながっていく

-「福が満開、福しま暮らし情報センター」にはどんな方が相談にいらっしゃいますか?

大宮さん:移住相談に来られる方の7割がIターン希望の方です。年齢については20~40代の方が増えています。震災から5年以上たった今でもなお、何か自分にできることはないかと、福島を目指す方、観光で福島に行ったことがあり、すごくいいイメージを持っているので移住したいという方、知人や友人が福島県に住んでおり、福島には良い人が多いから福島に行きたいといってくださる方もいらっしゃいます。地理的には、北関東にも近く、東北の入り口ということで、首都圏に出やすく自然が豊かなところと福島を選ばれる方も多いです。

新妻さん:概ね大宮さんがお答えしている通りですが、最近ですと早期退職を見据えてとか、定年退職後に移住を考えたいという50代の方の相談も多いですね。福島県はエリアによって気候も風土も文化も歴史も全く違いますので、どんな暮らしをしたいのかを想像していただきながら、慎重に話を詰めていくように心がけています。仕事に関する質問は多い傾向ですので、相談者さんのご希望やこれまで積み重ねてきたご経験を踏まえ、関係各所からいただく現地の求人の紹介を受けながら情報を提供しています。

新妻さん

-これまでの相談者や移住者の方で、印象に残っている方はいますか?

大宮さん:東京で飲食店を営まれていた30代のご夫婦が会津地域にIターン移住されました。なかなか希望の物件が見つからず、ご苦労されていたのですが、地域の方が物件探しから出産・子育ての準備に至るまで、本当に親身になってサポートしてくださり、予定より早く移住を決められました。奥様が「ここなら地元よりも安心して出産と子育てができそうだと思った」とおっしゃっていたのが印象的です。地域の方が粘り強く相談にのり、移住を決める前から地域のお母さん達などに繋いでくださった熱心なサポートおかげだと思います。

伝統工芸に興味がある方にもおすすめ!チャレンジしやすい環境が整う福島

-お二人が考える福島の魅力を教えてください。

大宮さん:首都圏と行き来しやすい地理的な面と、都会的な街でも自然との距離が近い点、歴史や文化が未だ色濃く残る環境がある点です。あとは人ですね。口下手であまり前に出ない性格の人が多いですが、実は熱い思いを持っている人が福島には多いです。表には出しませんが、こっそりスゴイことを成し遂げているんです。あと、世話焼きの人が多いので、「構わないでほしい」っていう方には向いていないかもしれません(笑)。移住したい人に対しては、一生懸命お世話をしようとしてくれる人が多くいるので、相談者の方に紹介する時はとても心強いです。

新妻さん:そうですね。福島の人はお節介焼きがすぎるくらい面倒見の良い温かい人が多いですね(笑)。懐が深い県民性が魅力だと思います。

-福島への移住を考えている方、悩んでいる方にメッセージをお願いします。

大宮さん:福島は、「何か大きいことをしたい!」というわけではなく、地に足をつけて自分のペースで趣味でも仕事でも、何かに挑戦したい場所を探している方にぴったりだと思います。福島県では、移住の取り組みを10年以上行っているので、多くの地域で移住者に対する理解があります。
また、県内の各地で、和紙や竹細工などの伝統工芸の後継者を育てるために、地域おこし協力隊を募集し、移住して伝統工芸の仕事に就く方がこの1年で増えました。会津塗りなどの漆器を学べる学校もありますし、編み組細工などの伝統工芸を学べるアカデミーが設立されるので、伝統工芸に携わりたい方にもおすすめです。福島の人は「失敗しても何とかなる!」という結構ポジティブな面もあるので、じっくりと何かにチャレンジしたい人には、良い環境なのではないかと思います。ぜひ足を運んでみてください。

新妻さん:福島県では、2017年から県内7方部それぞれに移住コーディネーターを配置しています。移住コーディネーターは実際に地域に住んでいますので、市町村との連絡・連携はもちろん、地域とのつながりも広く、市町村の枠を超えて多くの情報を持っています。移住前に現地へ訪問する際には案内役になってくれたり、移住後も気にかけてくれたりしてくれる大変頼りになる存在です。さらに首都圏では移住推進員が中心となり、都内でも毎週のようにイベントを開催していますので、現地の情報を都内で気軽に得ることができます。まずは移住いいなあ…、気になるなあ…、と漠然とした感じで大丈夫です。気軽に相談に来ていただき、情報収集から一歩一歩始めていただければと思います。

福が満開、福しま暮らし情報センター 相談員

大宮・新妻

プロフィール

大宮:福島県福島市出身。高校卒業後、渡米。帰国後は地元で働き始めるが、震災と原発事故が発生。故郷の為、自分にできることを模索する中、移住相談員の職と出会う。各地のお酒と温泉に出会うのが楽しみ。

新妻:高校卒業までを富岡町で過ごす。大学入学と同時に上京し、都内で就職。高校生の進路行事を企画運営する企業、個人住居リノベーションのコーディネート、司法書士事務所事務を経て2018年4月より福が満開、福しま暮らし情報センターの相談員に。

相談員から一言

大宮:福島県は、ふるさと回帰支援センターに移住と就職のワンストップ相談窓口を設置し、10年が経ちました。県内市町村や地域の皆さんとの連携で、就職はもちろん、農業、林業、伝統工芸、まちづくり等、移住して新しいことに挑戦したい!という皆さんを、全力で応援します。まずは、そんなアツい思いを持って移住された方や、地域の方のお話を聞きに来てみませんか?お気軽にお立ち寄りください。

新妻:福島県は奥羽山脈と阿武隈高地の山並みを境に、会津地方・中通り・浜通りの3つエリアに分かれています。その地形から、それぞれが気候も歴史も暮らしも異なる大きな県です。雪、里、山、海…など、ご自身に合った理想とする暮らしがどこかできっと適えられると思います。福島の人は粘り強く親身で心根は熱いです。そんな福島が気になった方は一度センターへお越しください!