移住事例紹介

移住で叶える、自分にとって暮らしやすいライフスタイル 自然と調和した持続可能な暮らし方

海外→和歌山県有田川町
2014年移住
松本 祐典さん
虹のネ農園

和歌山県有田市出身。ニュージーランドやオーストラリアでの海外生活を経て、有田川町で農業を営む松本祐典さん。埼玉県出身の奥様とともに環境負荷の少ない持続可能な暮らしを実践しながら有田川町のまちづくりチームへも参加し、活動されているそうです。

お金だけに頼らない暮らしを

大学在学中にワーキングホリデーを利用してニュージーランドで、卒業後にはオーストラリアで海外生活を経験した松本さん。特にオーストラリアで出会った自然と調和した持続可能な暮らし方『パーマカルチャー』に影響を受け「お金だけに頼らない暮らしをしたい」との思いが強くなったそうです。

そしていかにパーマカルチャーを実践していくかを考えたときに、実家がみかん農家で自分自身も土いじりが嫌いではないことを思い起こし、農家としてこれを実践していこうと決意します。

帰国後、松本さんは地元のみかん農園で修行を積み、無農薬でみかんや梅の栽培を行う「虹のネ農園」を立ち上げ、気に入った古民家を見つけたこともあり、有田川町で住み始めました。

持続可能な暮らしの先駆者に

パーマカルチャーを実践すると決めていた松本さんは、無農薬栽培のほかにも、日常生活の中で環境に優しい取り組みを次々と実践していきます。

例えば、地方ではなくてはならない存在である自家用車もその対象。松本さんの乗るディーゼル車は本来の軽油だけではなく、食用油の廃油でも走れるように調整されているいわゆる「天ぷらカー」です。しかも、利用する廃油は飲食店や私立保育所に提供してもらったものを松本さん自らろ過・精製しているというから驚きです。

「この天ぷらカーだと日頃の利用からエコなのはもちろん、災害が起きてガソリンスタンドで給油ができなくなってしまっても、家庭にあるサラダ油を注入すれば、近距離ならば十分に走ることができます」と松本さん。

さらに松本さんは自然エネルギーの導入にも力を注ぎ、太陽の光を利用して給湯を行う「太陽熱ボイラー」を県内で初めて設置しています。この設備は燃料や電気を必要としないので、東日本大震災の際に給湯手段として活躍したそうです。

ほかにも、有田川町の無償貸与制度を活用してコンポスト容器を導入し、家庭からでる生ゴミは堆肥として活用するなど、松本さんのパーマカルチャーを実践する取り組みは挙げればキリがありません。

これらの取り組みは「持続可能なライフスタイルのモデルである」として和歌山県から表彰を受けています。

生き生きとまちづくりにも取り組む

自らのライフスタイルに新たな試みを取り入れ続けている松本さんですが、仲間とともに有田川町のまちづくりにも意欲的に参画されています。有田川町といえば米・オレゴン州ポートランド市と連携したまちづくりに取り組むまちとして知られていますが、それらを住民主体で担っているチーム「AGW」に松本さんも参加し、廃園になった保育所のリノベーションをはじめ様々な取り組みに尽力されています。

さらに、ミカンの繁忙期に収穫作業を行う季節労働者、いわゆる「みかんバイト」が全国から和歌山県にやってくることに着目し、「みかんギャザリング」と銘打って交流イベントを主催されています。

「これまではバイトに行く農家が違えば全く交流がなかったので、農家の枠を越えてみかんバイトの方たちが交流できるようにしたかった」と松本さん。

昨年度から、同イベント内でミカンの収穫時期が過ぎてからもシェアハウスで共同生活をしながら有田川町への移住を目指す『移住研修制度』も始まりました。

暮らしやすいライフスタイルの実現を

「それぞれの人に、自分らしく暮らしやすい生活のスタイルがあると思います。私にとってそれは、持続可能でエコな暮らしだったのですが、多くの人が自分の理想とする暮らしを実現できるようになればいいですね。移住という選択はきっとそのきっかけになるはずです」と松本さん。

自分の思い描いた生活スタイルを楽しみながら実践している松本さんですが、まちづくりや移住支援など、人と人をつなぐ地域のキーパーソンとしての今後のご活躍も楽しみです。