移住事例紹介

田舎暮らしの素質があった私。この地でずっと暮らしていきたい!

神奈川県→長野県伊那市
2015年移住
金子靖子さん
伊那市地域おこし協力隊

家族三人で都会を離れて市のにいやまへ。地域おこし協力隊として長野県伊那市で活動している金子靖子さんを訪ねました。任期満了まであと数ヶ月(2017年11月現在)。地域おこし協力隊の活動に確かな手ごたえを感じている靖子さんは、任期満了後も新山に暮らしたいと語る。

■都会で夫婦そろって疲れていた

金子やすさんは千葉県生まれ、ご主人は神奈川県横浜市生まれ。両親や親戚、そして友人たちも神奈川県など首都圏に多いそうです。金子さん一家は、家族三人で住み慣れた都会を離れることを選び、2015年に長野県市へ移住しました。

▲田舎暮らしモデルハウスでインタビュー(2017年11月)

「結婚してから暮らしていた横浜も大好きなんです。でも、クルマの渋滞と人の多さがちょっとね・・・。夫とは、静かなところで暮らしたいね、とよく話していました。」

人口が370万人を越える横浜市。
親子そろって出かける家の近所の公園は、どこも休日を過ごすファミリーでいっぱい。

「だったら、郊外の公園へ行こう!と出かけると、今度は道が渋滞。目的地の公園も、同じように集まった家族で混んでいるんですよね。混雑にいやだなぁって思うことが重なって、田舎暮らしにますます憧れるようになっていきました。」

夢の田舎暮らしに向けてリサーチを始めます。

「山梨県小淵沢などへ土地を見に行ってたんです。とてもいいところでした、夫婦で盛り上がるんですが、家のローンもあるしね・・・ということで、その時は移住は実現しませんでした。」
もうひとつ、生活していく上で重要な「収入を得るための仕事」は田舎にはないのではないかという思い込みがあったのも理由だと言います。
転職はしたいけれど、仕事を探すなら横浜の住まいから通えるところ、という条件でした。

■転職活動で「地域おこし」というキーワードと出会う

転職活動を始めるも、転職と田舎暮らしは切り離して考えていた靖子さんとご主人。

「ところが、転職情報を集めていた夫が『地域おこし協力隊』というキーワードを見つけたんです。転職はなにも横浜近郊でしなくてもいいんじゃないかって考え始めました。」

それは、今から3年前のことでした。

地域おこし協力隊に興味を持ったご主人と靖子さんは、家族で東京ビッグサイトで開催された地域おこし協力隊の説明会に参加しました。地域おこし協力隊とは、地方自治体ごとに募集・採用があり、地域ごとの課題に取り組み、活動する任期最大3年の総務省の制度。

心配だったことは、地域おこし協力隊の収入だけで、家族3人が暮らすことができるのだろうかということ。
ところが説明会で、その不安を払拭するヒントが得られました。

「地域おこし協力隊として活動して、家族で移住している人と何人かお話できたんです。収入面では、なんとかなるんだって聞いて、うちも家族3人で田舎暮らしできるかもしれない、本当に面白そうとワクワクしてきました。
それに、自分も協力隊になって夫婦ふたりで活動して収入を得ればいいんだ!と思って。私も本格的に協力隊になりたい、募集しているところを探そうと思いました。」

■自分も協力隊になりたい!

夫婦二人とも協力隊として着任したいということで応募先をリサーチしました。長野県を候補地に選んだのは、キャンプなどで行ったことがあって印象が良かったのと、首都圏からのアクセスが良かったから。

「夫は市で募集がかかっていた地域おこし協力隊に応募。ミッションは自然エネルギーを活用した地域活性化です。私は同じ伊那市で、にいやま地区の活性化というミッションの協力隊に応募しました。応募要件が『子どもがいること、地域に協力できて行事に参加できること』なんです。これだ!と思いました。」

長野県への訪問は何度もあったものの、採用試験の際に初めて伊那を訪問したという金子さん夫妻。

「伊那市の新山地区は、前日に降った雪がうっすらと残っていてとても美しかったんですね。「ここはいい!」と一目で気に入りました。

▲新山地区に雪が積もると、美しい銀世界が広がる

「採用面接で私は、伊那市にいやまがどういいのか外からは分からないと話しました。なぜなら、インターネットで調べても、ほとんど新山の情報が得られなかったんです。『外』からでは新山の良さが全然わからない。地域活性のためには、まず住んでみないと何がいいかが分からない、と面接でお話しました。正直に。」

お話を伺っていると靖子さんは、とても素直な女性という印象です。言葉に過剰な装飾がなく、ふんわりと優しい。彼女なら新山の良さが分かってくれる、分かった上で情報発信や地域活性にイノベーションを起こしてくれる、と市役所の担当者は思って採用したのではないでしょうか。

そして・・・夫婦揃って地域おこし協力隊に採用。金子さん一家は2015年3月に伊那市新山に移住しました。

▲移住してすぐの頃。家の近所を散歩。

伊那市にいやまは伊那市の市街地からクルマで東へ15~20分くらいの中山間地です。

 

■若い人がきた!って大歓迎

金子さんが着任している地域おこし協力隊「新山くらっし応援団」。伊那市への移住・定住の促進を図るため、「田舎暮らしモデル地域」として指定された新山地域の行政、民間事業者、地域住民などの協働により、移住者に対する受入体制を整えることが任務です。

主な活動は3つ。
・新山定住促進協議会との協力⇒新山定住促進協議会と連携し活動する
・新山の情報発信⇒インターネットなどで発信する
・田舎暮らしモデルハウスの活用

およそ600人の集落、さぞかし濃厚な人間関係なのでは?新山にはすぐ溶け込めたのでしょうか。

「すでに新山定住促進協議会という基盤があったので、地域にとても入りやすかったです。若い人が来てくれたって大歓迎されました。若くないけどなって思ってしばらく暮らしていたら、新山の平均年齢が高いことに気がついて、納得しました(笑)。」

新山定住促進協議会とは、平成18年に住民主導で発足。新山にある唯一の保育園が園児が少ないために休園中という課題から人口減に取り組み始めました。
一度は休園していた園ですが、協議会で子どものいる家族の移住を促し、園児の数が十分になったところで平成26年に再開しています。
平成29年には全国地域づくり推進協議会会長賞を受賞するなど、注目されている地域です。

▲協議会を代表して4人と共に市長に受賞報告する靖子さん(左)

靖子さんは、田舎暮らしモデルハウスの活用としてお試し暮らし希望の方を市役所から現地まで案内、相談応対、掃除などのお手入れなどをしています。利用のお申し込みがコンスタントにあり、毎週一組程度は宿泊ファミリーが訪れます。

▲田舎暮らしモデルハウス、県産材のみを使用して建築された移住体験住宅

「ご利用は子育て世代のファミリーが多いです。伊那市は広いですから、ここを拠点にあちこち見ていただければいいですね。もちろん、伊那市の中でも新山視察ご希望でしたらご案内します。新山を『いいところだね』と気に入っていただいた方もいますし、ここに泊まったことをきっかけに新山に移住した方もいます。宿泊体験中は皆さんここがマイホームみたいに寛いで過ごしていますよ。」

 

■新山愛がすごい、地域愛がすごい

靖子さんは、新山の良さを積極的に発信するために、ホームページブログ新山日和を開設。
ブログは、協力隊として感じたこと、田舎暮らしで感じたことを靖子さんならではの目線で素直に発信しています。

「ブログでは私の写真などもアップしています、顔が見えて安心なのか問い合わせはブログ経由で入ることが多いです。問い合わせ内容によって、協議会の担当の方につなぎます。例えば、空き家については、協議会の住まい暮らし整備部担当へ。協議会の人は皆さん、レスポンスがとても早いんです!人当たりもよく、応対が早い。新山への愛がそうさせるんだと思いますね」

さらに新山で暮らす子育てママたちに一緒に記事を書こうと呼びかけ、「にいママクラブ」というブログを立ち上げました。
現在、12名のママライターが2~3日に1記事をアップしています。新山出身者もいれば、伊那市の別の地域から入った人も、都市部から移住した人も。
食べ物のこと、地域のこと、自然のこと、子ども達のこと、飾らず自然体で発信しています。

「いろんな人が書いた方が情報も増えるし、どんな人が暮らしているかとよく質問されるので、多くの人に書いてもらおうと始めました。複数の人が書いているほうがと、ブログを見る方も気がラクですよね。このブログのファンで、新山に移住を決めたという人もいるんですよ。それまで新山に来たことのない人だったので、これには私もびっくり。」

そんな調子で地域の子ども達はもちろん、そのママ達ともいい雰囲気で交流できている靖子さん。思ったよりも移住推進に関心のあるママが多いそう、協力したいって言ってくれたそうです。

靖子さんのお子さんは現在、新山保育園の年長クラス。2018年4月で小学校入学です。
「新山保育園と新山小学校が近くて、合同での行事も多いです。住まいも保育園の近くということもあって、園児も小学生も先生もみんな私のことも知っていて『やすこさーん』って子ども達も声をかけてくれますよ。小学生も保育園の子どものことも知っているという状態で安心です。」

▲2017年末現在、新山保育園は園児30名。

小学校の児童は全学年で37名です。中学校は徒歩では通えませんが、バスが朝晩1本ずつ出ています。ほとんどの家庭で自家用車で送り迎えしているそう。

 

■田舎暮らしの素質があったね!

新山では、靖子さんはたくさんの「始めて」を体験しています。
「近所の方に声をかけてもらって、人生初の田植えを体験したり、タケノコ掘り、地域の皆で流しそうめん、ツリークライミング、竹馬作り、干し柿つくり・・・。家の近所でで、こんな体験ができて、嬉しい。」と笑顔。

新山暮らしで困ったことは「クルマでばかり移動しているので歩く筋力が衰えたような気がします。それくらい。」だそう。

▲イベントで地域の皆さんときのこ汁を作ります

「本当に地域の人が良い方ばかりで、どんどんにいやまが好きになっていきました。
引っ越してすぐのころ、移住して10年新山に住んでいるおじさんに『新山で暮らしてどう?』って聞かれて、『すっごい楽しいです』って言ったら『移住して1ヶ月で楽しいって言えるってことは田舎暮らしの素質があったね!』って言われました。」とにこやかに話してくれる靖子さん。

伊那市のこと、新山のことは地域おこし協力隊募集で知ったんですと話すと期待外れでがっかりされてる感じで申し訳ないと言います。
「でも、こんなに新山が好きで、全力なんですよ〜!」と力説。

確実に手ごたえを感じている靖子さん。任期は2018年3月。(2017年11月初旬取材)任期後も定住をお考えなのでしょうか。

「はい!新山に暮らします。本来、協力隊に提供されている住宅は任期中のみなのですが、新山の皆さんが、私たちが住み続けることができるよう任期後もある程度の期間は借りられるよう市役所に提案して、話し合ってくれたんです。新山には、実は空き家がたくさんはないので、そういう形になると本当に助かります」

靖子さんの普段の活動が認められ、そして一緒に暮らし続けたいと仲間と思われている証拠です。まさに人は人でしか動かないということなのでしょう。

伊那市新山での暮らしについてと話す金子靖子さんの運営するブログやホームページ等をぜひご覧になってみてください。
・伊那市にいやま定住促進協議会HP 里山新山
・金子靖子さんのブログ 新山日和
・新山のママによるブログ にいママクラブ

 

現在、2018年4月から活動できる伊那市の地域おこし協力隊募集中!
(1)伊那谷体感ツアーディレクター(市内全域)1名
(2)ルネッサンス!長谷(長谷地域)1名
(3)美しい村高遠ブランドプロデューサー(高遠地域)1名
(4)スポーツ振興コーディネーター(市内全域)1名
応募締切は2月5日(月曜日)(必着)です!
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